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2010年9月 1日 (水)

試写会のおきて 『桜田門外ノ変』

8月30日の夜、試写会にゆきました。

マスコミ試写です。混んでます。
30分も前から記者がちらほら集まり始め、10分前には補助席が出る騒ぎです。

試写会のおきてがあります。
「混む試写はイケてる」というおきてです。
あたりまえと言えばあたりまえですが、公開前でも口コミって効き目があるらしく、
イケてる作品は記者が増え、混むのです。

でも最近の試写はこのおきてが若干ゆらいでいます。
なぜなら「どの試写も混む」のです。

ひょっとしたら、試写会自体が減ってるかも。不況のせいかな。
取材対象が減れば、とうぜん記者は集中します。

「混んでるけど、イケてるかな?」
期待と不安で観たのは『桜田門外ノ変

 
原作は吉村昭さん。藤沢周平や山本周五郎ではない時代劇って久しぶり。
黒澤リメイクではない時代劇という点も、興味深い。
NHK大河「龍馬伝」のヒットで、すっかり幕末ブームだし、
桜田門外の変という、日本史の教科書にばっちし載ってる題材なので
入りやすさはあります。

2時間17分。ちと長いです。まず1番の感想は

日本ってなんて野蛮な国だったんだろ。

これ、強く強く印象づけられました。
たちあがり30分くらいで、「変」が起こります。
その映像の血なまぐさいこと、グロテスクなこと。

はじめ人間ギャートルズか! ←なんのこっちゃ

主義が違う人間の「首を獲る」ことが「お国のため」。
当時の感覚をまざまざとそのシーンが見せつけます。
主人公大沢たかおの表情がいい。
「うわっ、血だよ、おえっ」って、顔です(私見)。

「変」が先で、その後は回想を多用して「どうして変が起こったか」を説明し
その回想に「反逆人として追われる暴徒達の今」をはさみます。

この構成は、エンターテイメントとしては成功してないように見える。
おそらく今後レビューで「おもしろくない、わかりにくい」って叩かれるんじゃないかな。
登場人物誰にも感情移入できない話のもっていきかたをしている。
でも、斬新だと思う。
「結果を見せつける」から始める手法で、この事件の本質が見える。
むなしさ、野蛮さ、愚かさが見える。
起点から描くと、見てるこちらも当時の空気に巻き込まれてしまい、
「殺してしまえ」と思ってしまい、首をとって「やった」と喜んでしまうかもしれない。
この映画はそんな感情移入を許さない。
(それが狙いなら)立派。そう思いました。

藤沢原作の映画『花のあと』や『武士の一分』のように、
時代劇の仮面を被ったラブストーリー(嫌いじゃないです)ではなく、
映画として楽しめるまとまりは無いけど、
事件を強く印象づけ、関わった人物のその後をきちんと見せる。
「その時代を見せる」という点で、意味深い作品だと思います。

試写会場の空気も、登場人物と一喜一憂する感情の動きは感じられず、
みなさんちょっと距離感を持って観ていたんじゃないかな。
わたしは途中時計が気になりました。
でも見終わったら、「歴史の一端を見た」という気持ちになりました。

考えてみれば…ひとりの首をとるため大勢の人間が死に、
さらには血なまぐさい時代の幕開けみたいになっちゃった、この事件。
きれいごとにして感動的にまとめるなんて、無理だもの。
この描き方で正解なのかもしれない。

10月16日から公開だそうです。

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