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2010年9月 9日 (木)

てきぱきの達人・ボーン!

9月5日のブログで、『永遠の語らい』という、大衆向けではない映画を紹介しました。
こういうちょっと変わった作品との出会いも、映画を観る醍醐味だけれども、
多くの人が指示するバリバリ・エンターテイメントも、わたし、大好きなんです。

ハリウッドが得意なエンターテイメント系はもう映画界の主流だし、
それをお手本にした映画が世界中で創られている。儲かるから。
いっぱいあるだけに、こちらも目が肥えてしまう。
もはや、設定も構成も台詞もセンス抜群じゃないと観客は楽しめない。

エンターテイメントは簡単じゃなくて、むしろとっても難しいのだ。

人が死んだから泣けるでしょ、
子どもが笑ったからかわいいでょ、
ラブシーンだからどきどきするでしょ、みたいな
観客をなめたつくりだと、どっちらけだ。

パッケージだけ鉄板持って来てもだめで、
スーっと通った芯がないと、人の心はつかめない。
その作品世界独自の整合性、緻密性が問われるのだ。

そういったものづくりへのアメリカの執念はやはりすごい。
日本人は工芸品などの手先の緻密さや、科学分野でのねばりはすごいけど
映画のような「遊び分野」に傾ける執念は、アメリカに一歩負けてると思う。
アニメはがんばってるけど、実写では一歩足らない印象だ。

予算の差だけじゃなくて「面白いこと追求力」の差じゃないかと思う。

子どもの頃観た『猿の惑星』は今でも好きな映画で、色あせない。
ほかに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズなど
好きなハリウッド映画はいっぱいあって甲乙つけがたい。
最近はハリウッドもネタがつきたのか、地球滅亡や仮想現実など、
「とっぴな設定が似たり寄ったり」という、なんともなーな作品が目につく。

ハリウッドは巨大な投資先であり、資本絶対主義だから、
撮影所が発言権を持ち、口を出すらしい。
撮影所のOKが出ないと前へ進めないということだ。

そんな中で異彩を放つのがボーンシリーズ。

『ボーン・アイデンティティー』2002年
『ボーン・スプレマシー』   2004年
『ボーン・アルティメイタム』 2007年

なんど観てもどこを切り取っても面白い。


Bourne

 
設定はこう。

男がひとり、撃たれて海に浮かんでいる。
命は助かったが、記憶喪失だ。
彼はジェイソン・ボーンという名前で、なぜか追われている。
かすかな手がかりを頼りにボーンは追っ手から逃げながら自分を見つけに行く。

このボーン、実は国家的機密組織が育てた人間兵器で、殺しのスペシャリスト。
記憶はないものの、体が自然と動き、咄嗟の判断力も神がかり。

1作目は、ハリウッドの鉄則を踏み、
面白い要素を慎重にバランス良く配分している。
お決まりのラブシーンもある。大衆受けをきちんと狙い、踏まえている。
これが爆発的大ヒットして、シリーズ化決定。

とたん、2以降は思いっきり「これでいくぜ」と突っ走る。
1の監督は製作指揮にまわり、新しく監督を抜擢。
ラブシーン無し! 戦ってばっかし! 鉄板? 知らねーよ。

いいんだよそれで!

3なんて、8割かた「追いかけっこ」のシーンだ。

いいんだよそれで!

このシリーズ、全体にボーンの台詞は極端に少なく、
お涙ちょうだいシーンはいっさいない。
人間ドラマを全面に出さずに、逃亡シーンの裏にひそませる。
それがあるから、逃亡シーンが活きて来る。

わたしはカーチェイスや爆破シーンに興味を持てない人間だけど、
この映画に限っては、手に汗にぎり楽しんだ。

ボーンはちょーあったまいい。怪我だって自分で治療できるし、ハッキングもできるし、
泳げるし、銃も撃てるし、走るの速いし、車が事故っても死なない。

たぶんあれだ、もし日本に来たら、そろばんを見た瞬間にしくみを理解して、
「願いましてーはー」と始めるだろうし、漢字も書けるし、盆踊りもうまいはず。

実際ボーンを演じるマット・ディモンはハーバード大中退というインテリボーイ。
ハンサムではないし、ずんぐりしてるし、鼻が座ってるんだけど、
内側からにじみ出る知性に説得力がある。

ボーンはどのシーンでも無言ですばやく行動する。
速すぎてこちらはその行動の意味がわからない。
「まあ、彼がそうするんなら、意味あるんでしょう」と見ていると、
「なるほどそういうことか!」と膝を打つ。
ストーリーの先が読めないエンターテイメントのキングです。

ボーンはわたしが10年かけてやることを10秒でかたづけちゃうし、
おそらく鼻の穴で牛を育て、耳の穴でトマトを育て、
へそでビーフシチューを作るぞ。

観た後、自分の無能さが身に染みるのもお決まりコースで、
デザートを味わうように毎度劣等感を味わっているわたし。

近所のTSUTAYAではこのシリーズなんと100円でレンタルできる。
人気シリーズだから1作につき7本くらい揃えてある充実ぶり。
なのに残念。
2→1→3の順番に並べてあるんだよぉ。
だめだよぉ。
知らない人は間違えちゃうよねぇ。まずいよねぇ。

せっせと並べ直していたおせっかいなおばさん。ソレはワタシです。
防犯カメラに写っちゃったかなぁ。表彰してくれていいよ。


アイ→スプ→アル ですよ。お間違えなくなく!

Boon1_ Boon2_ Boon3_


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コメント

説明を読んでいて,見たことあるような?気持ちがしたが〜何作目か?分からないが?テレビでも〜放送したよ!何作目だろう?でもとっても良い作品だった事を覚えている!3作も出ているんだ〜きっと1作目だと思うのだが〜あんな感じのDVDも見るんだ〜3作も?

michiさん
最近ではテレビ東京で「1」をやってました。
テレビ東京って北海道でも放送してるのかな?
いい作品ですよね。わたし、好きです。
2作目はDVDに特典映像が入ってて、メイキングがすっごく面白いんです。
CG無しで、カーチェイスや爆破シーン撮ってるんですよ。
特典だけで、いい映画観たようなお得感あります。
3作のラストは、すかっとしますよ。
お時間あったら、すかっとしてください!
4の舞台は日本…を期待しているんですけどね。

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