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2010年9月 5日 (日)

ぶったまげ。『永遠の語らい』

このブログをスタートする動機のひとつに、
観た映画の記録をつけたい。という思いがありました。

でも観る量がすんごいんで。
全部書いたら、観て感想書いてで人生が終わってしまう。
ので、
選んで書いてます。

なんの予備知識もなく選んだレンタルDVD。
のけぞりました。
ポルトガルの巨匠、オリヴェイラ監督の『永遠の語らい』
監督、なんとおんとし95歳でこの映画を撮ってます。
現在101歳、なおも新作を撮り続けています。

Eiennokatarai_

 
歴史学者の美しい女性が、インドに赴任中のパイロットの夫に会うため、
7歳の娘とふたり、地中海をめぐる船旅に出ます。
途中、さまざまな歴史建造物に立ち寄りながら、娘に西洋の歴史を語る…。
そして船上ではさまざまな国の人と出会う…。

あきれるほど淡々と進みます。
まるで物語なんて無いかのように、淡々と。
旅番組かしらと思うほど、ただひたすら歴史をたどる旅をします。

ぞっ。

このようなシナリオ、恐ろしくて書けません。
観る人が退屈しないかな? ついてこれるかな? 感情移入できるかな?
書く時は常にビクビクしながらあれやこれやのテを打ちます。
それがエンターテイメントの鉄則だけど、実際にはセオリー通りになかなか書けない。
あまりに鉄則を守ると、みーんな同じになっちゃうからです。

地球が滅亡したって、人類が半分死んだって、宇宙人が襲来したって、
子どもが泣いたって、犬猫がしゃべったって、
展開があまりに鉄則通りだと、感動がありません。
鉄則を踏まえつつ、意識的にはずす。それが目指すところなのだけど、
こういう映画を観てしまうと、グラつきます。

鉄則なんてセメントで固めて海に沈めた。そんな態度じゃないですか。

この映画はナニサマなのだろう?
どうしてこんなに落ち着き払っているのだろう?
景色は美しい。女性も美しい。でも恋も事件も無し。

起伏が無いのに、退屈しません。
西洋文明を子どもにわかるように語るので、わたしの頭にちょうどいい。
っていうのもあるし、
こういう映画、ほかにないからかもしれません。
ここまで淡々と進むのは珍しいです。

途中、白くて巻き毛の犬が出て来ます。
ちょっときちゃないこの犬のシーンはすごく印象に残ります。
唯一の起伏だし、ほかになにも起こらないし、
過去に見たことないような、妙なハラハラシーンです。
ちょっとした、ハラハラ。

さてこの映画。西洋の歴史を考えつつ、現代に問題提起しています。

ええ、そう、実はラスト、たいへんなことになってしまいます。
油断してたら、衝撃のラストでバーン!と問題提起され、口あんぐり。
問題を投げかけられたまま、なんと、終わってしまいます。

なんてこったい!
ここで終わるんかい!

やられた、って感じです。

さよなら…起承転結の論理…。

この映画はわたしの中で「好きな映画ベスト10」に入らないし、
かといって、「ワースト10」にも入らない。
「ぶったまげベスト3」だし「創作の視野を広げたベスト3」だ。

ベスト3って書いたけど、あとの2つは思い浮かばない。
でもこの映画を「1」と言いたくない。
こんなふうに作っていいの?って、まだ納得できない。
今まで学んで来た事がワヤになっちゃいそうで、怖い。

でも面白い。やっぱ好きだ。こういうの、好き。

西洋文明が好きな人と、物語を作る仕事を目指す人は、
一見の価値あると思います。
犬好きの人も、ワンショット(シャレじゃないす)だけど、楽しめるかも。

この映画について詳しくはコチラ

わたしは面白いと思ったけど「ぜひ観て」とは言い難いし、
こういう映画もあるって小耳にはさんでほしい。って感じです。
 
 
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コメント

またまた お邪魔します。

あきれるほど淡々と進み、なんてこったい!
ここで終わるんかい!やられた、って感じです。
・・・ん~、いいですね(^.^)v

ドタバタして、最後は急展開でハッピーエンドの
ワンパターンなお話ではなく、そう来たか!っていう
わくわくドキドキな物語を、期待しております。
もちろん、JUNKOさんにですけど~!

ではまた。

まあくん
いつも素敵なお写真ありがとうございます。
これからはココログでも写真を見られそうで、うれしいです。

実は、わたしの作品、たびたび「ラスト放り投げてる」って言われるんです。
そこが欠点なので、克服しなくちゃとがんばってるのですけど、
この映画観たら、なんだあ?と。いいのかぁ?と。
まあくんも期待してくれてるし、
よーしわたしも、あっけにとられるラストを書いちゃうぞーと
思いましたデス!!

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