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2010年10月 7日 (木)

しらたきアリスの夜に

10月5日は結婚記念日でした。夫の誕生日でもあります。

めでたい日ではあるものの、諸事情により、ハデなことはできません。

メルマガぶんぶん便にも書きましたが、
夫への誕生日プレゼントは「夕飯の献立を決める権利(当日のみ有効)」。
そして夫は「春巻き」を選びました。

夫と結婚して13年、春巻きを作ったことがありません。
でもだいじょうぶ。
前の結婚生活(11年)ではなんどか作りましたから。

未知なる料理ではありませんので、ハナウタまじりに材料を購入、
ハナウタまじりに料理を始め、ふと、気付きました。

フライパンで炒めている具材の「たたずまい」が変です。
なんだか「ふてぇ野郎」がいるんです。

太い!

ああ。
春雨と間違えて、しらたきを買ってきてしまいました。
買い物メモには「はるさめ」と書いてあるのに、
スーパーに行くとメモも見ずにまっすぐに「しらたき・こんにゃく」のコーナーへ行き
ぐわしとわしづかみにしてカゴに入れたんです。

「春巻きなら十分の1の実力で作れるわ、ふん」という、慢心です。

フライパンで炒めるまで、間違ったことは何ひとつしていないと
自信満々でした。
ふてぇ野郎とはオノレのことでもありました。

料理をやめ、パソコンに向かいます。
「しらたき 春巻き」で検索すると、なんと、しらたきも具材になるそうです。
わたしの中では「春巻きには春雨」でした。
季節の一致がありますしね。

「まあ、いいや」としらたきで料理を続け、まあまあ、形にはなりました。
味はそこそこ、たいした失敗とは言えませんが、
13年前に作っていた春巻きのほうがおいしかったです。
やはり春雨のほうが細く、味がしみこみやすく、おいしいのです。

しかし今の夫はその味を知りません。
おとなしく「おいしいです」と食べています。
胸中は測りかねます。
夫もわたしとの結婚生活の中で、いろいろと学び、
それ以外の感想は恐ろしくて言えなくなってしまったのでしょう。

年内、春雨による春巻きリベンジいたします。

さて、実を言いますと、
春巻きを作り終えた時に、わたしはあることに気付きました。

「結婚記念日って、夫から妻へのプレゼントがあってしかるべきではないか」

そこで、夫の仕事部屋へ行き、揺り起こしました。
…夫の睡眠はちかごろ昼夜逆転しています。

「春巻きはできた(失敗内容は内緒)けど、妻へのプレゼントはどうなっているのかなぁ」

夫はねぼけた頭で腕組みをし、考え込みました。
わたしも腕組みをしています。

夫がしかるべきものを用意できないのは、夫の怠慢ではなく、
「わがやの逼迫した経済事情」によるもので、
そこはわたしも、骨の髄までわかっているのです。

ふたりで考えに考えた末、プレゼントが決まりました。

「TSUTAYAで新作映画を定価で借りる」というプレゼントです。

そうなんです。
わたしはTSUTAYAでしょっちゅうレンタルするのですが、
旧作半額セール(190円)などのクーポン無しに借りることはまずありません。

クーポン無しに! 定価で! しかも新作を!

プレゼントにふさわしい贅沢ではありませんか。

これを思いついたふたりは、春巻きが冷めるのも厭わず、
夕飯前にさっそくTSUTAYAへ行き、借りました。

アリス・イン・ワンダーランド

実はこれ、娘が劇場で見て、「ぜんぜんだめだめ」と言っていたのですが、
それはほら、若い感性で見たあくまでも鋭い目線であって、
老眼ぼやぼや〜のわたしには、楽しめると思ったんです。

ところが…  信じられないくらい、 …駄目でした。

有名な原作を元に、面白い発想で再構築された世界。キャラクタも愛らしいのに、
脚本がいまいちなんです。セリフも練れてないし、哲学がスカスカなので、
すーすー流しそうめんのように物語が進み、驚きも発見も…なくはないですが、
ひかえめです。

「赤の女王」のキャラは人間臭く、面白かったなぁ。
彼女は残酷でわがままな女です。
でもそうなった理由は見ればわかります。
女って、白の女王のように生まれるか、赤の女王のように生まれるかで
うける愛情やチャンスに雲泥の差があるのです。
赤の女王は「愛されるより恐れられる」ことを選びますが、
でもそれ、実は、選んでいるんじゃないんですよ。

わたしは彼女のことが気がかりで、最後は救われて欲しいと思いました。
なのに彼女はラスト、ただの悪者として、みじめに処理されます。

ジョニー・デップ演ずる帽子屋のキャラクタ造形には哲学があり、
エピソードもせつない。「痛み」を感じるキャラです。
彼を主役にして脚本を練り直したらもっと面白くなりそうだな〜。

ティム・バートン監督とジョニー・デップのコンビで
こんなスースー映画は珍しいのではないでしょうか?
今までどの映画もすんばらでごつごつ(誉めてます)だったのに!
なにが原因でこうなっちゃったのでしょうか?
予算と時間が足らなかったのでしょうか?

それとも、うっかりでしょうか?
慢心して、春巻きをしたらきで作っちゃったのでしょうか? 

きっとソレだな。


10月5日は、ぴりっとしない料理と、ぴりっとしない映画で、
プレゼントとしてはめでたくおあいこになりました。
 
 
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