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大山淳子

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2010年10月 4日 (月)

サヨナラ大相撲 『朝青龍引退断髪披露大相撲』

10月3日、日曜日。
まるで昨日のことのように覚えていますが、ほんとに昨日です。

愛する朝青龍の引退相撲を観に行きました。
このチケットを買うため、新聞購読をやめて予算をひねり出したわたしです。

両国国技館で午前11時半スタート。予定は午後4時終了ということでしたが大幅オーバー。
400人近い来賓が髪を切るもんだから、長引いてました。

わたしは小学生の頃から相撲ファンでしたが、国技館に行くのはたったの3度目です。

一度目は若貴が現役だった頃、知り合いのご招待で枡席にて観戦。
若貴のファンではなく、安芸乃島のファンでした。

次は取材で、日本相撲協会の事務所にお邪魔しました。国技館のお隣で、
同じ敷地内にあるんです。
高砂親方と1時間ほどサシでお話させていただきました。

3度目が今回です。

力士が引退する際の行事を一般的に「引退相撲」とか「断髪式」とか言いますが、
わたしはそれがどういうものかを具体的には知りませんでした。
最後に相撲をとって、マゲを切る。
まあ単純に、そんなもんだと思ってました。

『朝青龍引退断髪披露大相撲』

これが今回の行事の正式名称です。
この正式名称に隠された驚愕の真実を、知らなかったのです。

驚愕の真実! って、最近のミステリー小説の売り文句ですよね。
驚愕の真実の大安売りですよね。
いやあ、どの真実よりびっくりでした。

ダマされたわけじゃあないのでしょう。
わたしが無知なだけでしょう。

知らなかったんです。

Asa_iri

 
本人は相撲を取らない。ということを。

ガーン!!!

おおよそこんなスケジュールなんです。

1 幕下の取組
2 別の力士の髪結い実演
3 相撲甚句(うたみたいなの)
4 十両取組
5 初切(相撲のコントみたいなやつ)
6 朝青龍土俵入り
7 朝青龍断髪式

8 幕内取組

愛する朝青龍は6と7だけ登場します。
かっこいい土俵入りの姿を見て、感動したら、それがまわし姿の見納め。
いったん引っ込み、紋付袴に着替えたと思ったら、もう髪を切ると…言うのです。

相撲、見てないよ! うそでしょ?

土俵に絨毯が粛々と敷かれ、パイプ椅子が用意されます。
ぱいぷいすです!

瞬間、公開処刑を見るような、気持ち悪さを感じました。

Asa_hitori

うそ、相撲も取らずにもう切るの? やめろーーーー!

お客さんは大入りです。
「あさしょーりゅー」と声がかかります。
わたしも叫びました。めったなことで叫ばないので、発声がうまくゆかず、
5回めくらいに、ようやっと大声になりました。

ファンが掲げた横断幕には「ドルジありがとうそしてごめんなさい」と書いてあります。

Asa_maku

気持ち、わかります。
不透明な圧力で強引にやめさせてしまい、国民として申し訳ない気持ちなんです。

ここにいるみんなは彼の相撲がまだ見たい。
本人も「あと2年はやりたかった」と言っている。

なんで、マゲ切るの? やめなしゃい。

へん、です。

もしも彼が、やめなければならないような大罪を犯したなら、
こんな晴れ舞台は実現しないはずなんです。
やっぱ、おかしいんですよ。引退そのものが。

わたしは無知で馬鹿なのかもしれません。
でも、わたしが知る限り、彼はやめる必要なかったです。
まるでキリストのように、不当な扱いを受けたとわたしは思っています。
「やめてもしかたないよね」とわたしを納得させる記事はひとつとしてなかったです。
納得がいかないものに、納得しません。

現役時代に本場所をさぼってハワイでサーフィンしていた北の富士親方は、
子どもたちのための慈善事業でボールを蹴った朝青龍の髪を切りました。
おなじやんちゃ系なだけに、もう少し、かばってほしかった。
子どもの頃、最初に好きになった力士は、北の富士なんです。
遊び人のイメージがありますが、それも含めて愛された力士でした。
力士に対して、マイナス面を探すような風潮のない時代でした。


Asa_yuuya
内田祐也氏
 
Asa_ikki
沢村一樹氏
 
Asa_kouki

↑ボクサーの亀田興毅も来てました。
わたしの目の錯覚でしょうか、彼はハサミを入れず、そっと朝青龍に声をかけて
去ってゆきました。興毅、好きになりました。

Asa_wolf

↑ウルフ(九重親方)はいつも朝青龍をかばってた。かばいきれずにこうなって、謝ってる?

わたしはくやしくて悲しくて涙涙だったのですが、
朝青龍は終始おだやかな顔をしていました。
この断髪式での朝青龍をマスコミはどう書くか知りませんが、
わたしの目には別人のようにおとなしく、
なかみがスカスカの、空気のように見えました。

わたしは本人じゃないからまだあきらめきれないけど、
彼はマトモに逆風をくらい、
相撲人生を断たれたことをとっくに腹におさめたようです。

あきらめている。だからとても静かで、おだやかな顔をしていました。

こんなにがんばったひとが、好きな道を断たれた。
彼は今年初場所、優勝した翌日からあれこれ叩かれ、一度も土俵を踏ませてもらえず
「引退します」と言わされました。
芥川賞をとった翌日に「筆を折れ」と言われるようなものです。

国技館、大入りです。
彼を見たいファンがこんなにいるのに、もう彼の相撲を見る事はできない。

彼をやめさせた人たちは、今頃どっかでおいしいもんでも食ってるのでしょう。

うれしかったのは、タミル元夫人や、彼の子どもふたりが応援に来ていました。
タミルさんは聡明そうな女性で、今後の朝青龍をささえてゆくそうです。
朝青龍の息子が、土俵に上がり、拍手喝采を浴びていました。
おとうさんの勇姿を全身で感じたことでしょう。
 
Asa_son

朝青龍は最後に土俵にキスをして去ってゆきました。

さてここから、おかしなことです。

断髪式のあと、幕内力士の取組が始まったんです。
構成、間違っていませんか?
断髪式が終われば、オシマイでいいじゃないですか。
クライマックスなんですから。

わたしの後ろの席の若い男性ふたりも
「あれ? 朝青龍もう終わり? うそ」と驚いてる様子です。
「このあと、出てくるのかなあ」と信じられない様子です。

シナリオ的に、この行事は変な構成です。
カタルシスの置きどころが間違っています。

ひょっとして、
朝青龍引退後も、大相撲は元気に続いてゆくという
パフォーマンスなのでしょうか?

でもこの日、高い席料を払って観に来ているのは朝青龍のファンです。
こんごの大相撲なんて知ったこっちゃありません(毒舌失礼)。

客はぱらぱらと減り始め、空席が目立つ中、白鵬対日馬富士の取組でやっとこ終了。

わたしは最後の弓取り式までしっかり見届けました。
もう2度と国技館には来ないな。と思ったからです。
大相撲とわたしの断絶式だな、と思いながら
現役力士達を最後まで眺めてためいきをつき、ゆっくりと会場を出ました。

サヨナラ、大相撲。

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コメント

お疲れ様でした。

朝青龍さんの、表情が明るいのだけが救いです。

安芸乃島関が弱くなり、大相撲には興味がなくなって
しまうと思っていましたが、やんちゃな朝青龍の出現の
おかげで、見続けることが出来ました。
今までありがとう。これからも頑張って!と言いたい。

鈴木宗男や小沢一郎のように、目をつけられたら
逃げ道は無いという事なのでしょうね?
国技・国会、国民に勇気を与えてくれる人達が選ばれ、
活躍する場では無くなってしまったのかな。

こんなんじゃ、企業も人も海の向こうへ逃げ出しちゃうね!

まあくん
わたしも「ありがとう、がんばって」と言いたいです。

朝青龍、おだやかな顔だったのですが、
「もう本音で話すのはやめとこう、笑っておとなしくしとこう」と、
この国で心を開くのをやめてしまったような印象を受けました。

どの分野でも出るクイは打たれるのかもしれませんね。
突出しすぎると、目をつけられるのかも。

それにしても不思議な行事でした。
音頭をとった後援会長も「ちっともめでたくない式です」と挨拶。
ファンも全体におとなしかったです。
こうなった当事者不在(叩いた人はおらず、朝ショーも心が無く)で
形式的にやりました、という感じでした。

JUNKOさん、朝青龍ファン代表として断髪式に参列して下さりありがとう・・。

私は四国なもんで、国技館にはよう行きませんでしたが、朝友(勝手に)のJUNKOさんが
きっと私の分まで思いをこめて、「朝青龍ありがとう」と言って下さったとほっとしております。


私は朝しかテレビ観ないんですが、テリー伊藤や加藤さんが出てる番組でも、
えらい優しいコメント出してましたね。

「どの世界にもヒールは要るんですよ。。(しみじみ)」  って今ごろオマエらが言うな!!

ていうか、私はヒールだなんて思ったことありませんでした。

ことの始まりのチャリティーサッカーだとて、未だに何故悪いのかわかりません。
土俵のマナー云々、言われるほど見苦しいことは一度もなかった。
白鵬との大一番に勝ったあとのガッツポーズ、かっこよくて涙出そうでした。


こんなに強くて美しい横綱はもう二度と出ないと思います。
いくら白鵬が記録を積み重ねようが、朝青龍には敵わないでしょうね。


出る杭は打たれるというならば、ただ一つ。
強過ぎた横綱であったことを私達は悔やめばいいのでしょうか。

朝青龍・・本当にありがとう(涙)

にゃ〜ごさま
親友JUNKO、行ってまいりましたっ!

そうですか、朝のテレビでそんなことを…当事者意識が無いんでしょうね。
騒動のさなか、さんざん彼を追いつめた人たちも、最近毒舌を引っ込め、
知らぬ存ぜぬを決め込んでいます。罪の意識無いんでしょうか?

そう。彼はヒールじゃないですよね。
サッカーは「良い行い」だったと思うし、
土俵での姿は、卑しいところがなく、美しかったです。
なんであんなに叩かれるのか…。
叩いてるほうがみっともなく、下品です。

白鵬より朝青龍のほうが美意識が高く、言い訳をしないから、
媚びて欲しい人には、扱いにくかったのかもしれませんね。

ああ…まだ腹が立っている。
苦しいけど、しつこく忘れずにいようと思っています。

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