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2010年11月30日 (火)

『心の糸』を観て、できることを考えた 

11月末にNHKで放送されたドラマ『心の糸』がすばらしかった。

もういちど見たいと思っていたら、12月19日に再放送するらしい。
やはり評判が良かったんですねぇ。

耳が聞こえない母(松雪素子)と、ピアニストを目指す息子の二人三脚の物語。

わたしは今から10年ほど前、手話を学んでいました。
フリーライターの仕事をしながら、武器(技能)として
もうひとつ言語を持っていると幅が広がると思い、
外国語を習得するような気持ちで手話を勉強しました。
ほかの語学は授業料がかかるけど、手話は自治体の無料講座があったのです。
どうせなら真剣に、通訳の資格もとりたくて、4年やったけど、挫折。

しゃべれるようにはなったけど、読み取れないのです。
動体視力に問題があるようです。

 
手話はずいぶん忘れてしまいましたが、成果は残っています。
ろうの歴史やろうの社会への理解です。

手話の教師は聴覚障害者で、生まれながらのろうの人もいれば
中途失聴者もいました。

教師以外にも、聞こえない人たちと交流しました。
個性はありますが、全体に気が強く、考えをしっかり主張する人が多いです。
国民性の違いくらいに、特徴として感じました。
それは虐げられ、差別された歴史を考えれば当然だし、
現在でも、自ら主張していかないと、忘れられてしまうのです。

なぜなら「聞こえない」状態は、聞こえる人間には想像しにくいものだからです。
「見えない」は目をつぶるとわかりますが、耳栓は完全には音を遮断しません。

たとえば電車に乗っていて、事故でストップします。
車内放送、あれ、聞こえないとしたら、不安ですよね。
バスでも「次は◯◯です」というアナウンスが聞こえない。
これらの問題は電光掲示板で解消されつつありますが、
病院の待合室で、呼び出しが聞こえない。
不便です。
でも聞こえる人にはその不便さが実感としてわからない。

当時、「聞こえない」を想像するため、わたしはなんどもお風呂で湯船に潜ってみました。
苦しいです。息が。

さて『心の糸』には、耳が聞こえない女性がふたりでてきます。
ふたりともしっかり主張する人です。
主張が強いようにも見えますが、普通に話しているのです。

わたしが出会った聞こえない人たちと考え方や話し方が似ていて驚きました。
丁寧に取材して、心をこめて作ったドラマだと思います。

ドラマの中でこんなフレーズが出てきます。

わたしたちにできない3つのこと。

聞こえない。
しゃべれない。
無限に夢がもてない。

わたしたちにできる3つのこと。

目で聞くこと。
手でしゃべること。
現実の中で夢をみつけること。

はっとしました。

わたしは耳が聞こえますが、現在、無限に夢は持てません。
一生懸命やってきて、現実に壁を感じています。
大きな壁は年齢です。自業自得です。
だからといって、現実の中で夢を見つけることはわたしにはできません。

わがままなやっちゃなぁ。
そう思いました。自分のこと。
それでもそんな自分と一生つきあっていかねばなりません。

今のわたしにできること。

現実を広げてみる。
できないことでも、できると思ってやってみる。
自分だけでも、信じてやること。
可能性は自分で決める。

ろう問題からめぐりめぐって自分を考える機会をくれたこのドラマ。
再放送も見ます。


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