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2010年11月 5日 (金)

ママと女の子

文化の日、バスに乗りました。
そこそこ混んでましたが、座ることができました。
しばらくして子ども連れの夫婦が乗車。
女の子がわたしの隣に座りました。
4歳くらいでしょう、かわいい格好しています。おしゃれです。
席がないので両親は立っています。今風かつ上品な、おしゃれ上級者の若い夫婦です。
パパさんは短パンにニットのハイソックス、ママさんは亜麻色の髪をひとつに結んでいます。

女の子は「アメちょうだい」とママさんに言いました。
「バスの中はだめですよ。電車に乗ったらね」とママさんは言いました。
しつけをちゃんとなさっているご家庭です。
女の子は2分くらいしてもう一度「アメちょうだい」と言いました。
ママさんは言いました。


「電車でやるっつってんだろ、うっせーな」
 

 
わたし、凍り付きました。
瞬間、パパさんの顔を見てしまいました。
深層心理として「こんな言葉遣いの妻をどう思うのだろう」がありました。
パパさんは無表情です。日常なのでしょう。

わたしは女の子が気の毒で、すぐに見ることができませんでした。
そっと横目で見ると、かわいいバッグを開けて、ごそごそしています。
おもちゃの時計を取り出して、遊び始めました。
アメをあきらめて、時計で遊ぶことにしたようです。
けろっとしています。
ほっとして、思わずニヤリとして目をあげると、
女の子のむこう隣に座っているおじいさんと目が合いました。
おじいさんの口元もわたしと同じく、ニヤリとしていました。

両隣の他人が、ひとりの女の子を挟んで、同じ思いでいたのでしょう。

ママさんは、良いママさんです。
だって、毒づいた時、女の子を見ていませんでした。
目をそらして、顔を横に向けて、言ったんです。わたし、見てました。
おそらくひとりごとなのでしょう。
そしてわたしが感じるほど、悪い言葉遣いでもないのでしょう。

わたしの世代は子どもに「うるさいよ」と言いました。
わたしの親の世代は「静かになさい」と言いました。
言葉のありようはどんどん変わってゆきます。

わたしはバスに揺られながら、自分が娘に使った言葉を思い出しました。
不思議なもので、失言ばかりが浮かんできます。

「外に立ってなさい!」
「反省文書きなさい!」…5歳の子に言ってます。文章力は伸びました。
「ごめんなさいって心から言ってる?」…娘、泣きながら頷き、吐きました。

ああ。なんということを!
鬼母です。こんな鬼母だったなんて!
他人の言葉遣いをあれこれ言う資格ナーシ!
わたしの・わたしの・わたしの馬鹿野郎!

バスの中でわたしは真っ青になりました。
このあと電車に乗る予定ですが、タイムマシンに乗りたいです。
タイムマシンに乗って、昔に戻って、当時のわたしに注意するのです。

「てめーの子にひでーこと言ってんじゃねー! うっせーな!」

目を見て注意してやります。娘のためです。


バスが終点に着きました。
ママさんは女の子としっかり手をつないで降りてゆきました。
あつらえたようにぴったりと、握った手が合わさっています。

そうそう、わたしもああして娘としっかり手をつないで歩いたっけ。

ちいさなほころびをとじながら、

許し、許されて、親子って生きてゆくんですね。

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ぶんぶん的日常」カテゴリの記事

コメント

はじめまして、こんにちは♪
今週からブログ開設致しました。
どうぞよろしくお願い致します。

はじめまして。ブログ開設おめでとうございます。

こんにちは♪
言葉は(も)、上っ面だけでは判断できないという事でしょうか?
第三者が引いてしまうような言葉でも、身内でならばあたりまえ
という事があるのでしょうね。重要なのは見た目でなく中身かな。
あと、心を鬼にして叱る事は必要だと思います。自分のストレス
発散の手段ではなく、子供のためにという条件付ですが・・・。

叱る→子供も自分も落ち込む→抱きしめる→絆が深まる
子供(女の子)と母親は、こんなふうにして成長して行くような
気がします。男はいくつになっても子供のまま成長しませんね。
身体だけは大きくなるのに、やることは幼稚です。私もね(・。・;

まあくん、こんにちは
そうですね。その言葉だけがその親子の関係性のすべてではないし、
おかあさんだって、人間ですからね。
きちんと叱れるときもあれば、くたびれてカッとして暴言吐いちゃうときも
あるでしょう…
朝から晩まで一緒だと、ほころびも見せてしまうと思います。
どのおかあさんも、おかあさんになるの、初めてなんですからね。
成長してやっと一人前のおかあさんになれたと思ったら、巣立ってしまう。
そんなものでしょうね。
母と娘って、母と息子とまた違って、微妙な存在だと思います。
父と息子もそうでしょうね。

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