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2010年11月23日 (火)

小百合さまの義務『おとうと』

山田洋次監督の『おとうと』を観ました。

劇場公開時、自分では観ず、観たひとに感想を聞きました。
知り合いの若い人で観に行ったひとがいなかったので、
上の世代のひとに聞く事になりました。

「わたしはダメ。笑っちゃった」(映画好きな70代女性)
「やっぱりこういう世界は好き」(映画好きな80代女性)

意見がぱっくり分かれます。
ネット上のレビューも甘口辛口混合です。

この映画を劇場に観に行く動機は、

山田洋次の世界が好き
出ている役者が好き
公開映画は全部観る(そういう人います)
市川崑監督の『おとうと』と比べたい

でしょうか。
そう、この映画は市川監督の名作『おとうと』のオマージュになっています。

 
市川監督を「見た」ことあります。
「お会いした」とは言えません。

2006年12月、映画の日に城戸賞授賞式がありました。
控え室で待っていると、続々映画人が入って来ます。
その日は俳優さん、監督さんなど、映画功労者の授賞式もあるのです。

三国連太郎さん、西田敏行さんらが立ち話をする中、市川崑監督が入室。
室内の空気がピーンと張りつめます。

わたしはもうひとりの受賞者と顔を見合わせぶつぶつつぶやきました。
「いちかわこんいちかわこんいちかわこん」
それまでふたりとも緊張気味だったのですが、いきなり野次馬根性になっちゃって、
うれしくなっちゃって、目が三日月になっちゃいました。

もっとじろじろ見ておけばよかったのですが、まぶしくて、見られなかったです。
亡くなる2年前のことで、監督は車椅子に乗っていて、
ザ・ボディガード!って感じの、風船みたいに筋肉が膨らんだ黒人が車椅子を支えていました。
そのとき90歳だった監督は「こんな歳になっても、まだ撮りたい」とおっしゃっていて、
映画って麻薬のような、やってもやってもやめられない。
そんな魅力があるのだなぁと思いました。

市川監督の『おとうと』はもちろん観ています。
岸恵子のお姉さんぶりがちゃきちゃきとかっこよかったです。

山田洋次監督の『おとうと』ですが、期待よりはるかに良かったです。
薬局を営むしっかりものの姉ちゃん(吉永小百合)と、
役者になりそこねて借金にまみれている酒乱の弟(鶴瓶)の
切っても切れないお話で、ストーリーは定番です。

定番にこだわりを感じます。
ある程度人生を生きてきた日本人が観ると、
どのエピソードもどこか既視感があり、
「ああそう。わたしたち、そうやって生きてきた」と感情移入できます。
そしてその人生を肯定してくれるのが山田洋次ワールドなんですよ。

ディテールは凝っていて、アイデアがいっぱい盛り込まれています。
わたしが好きなのは「鳥を飼う」エピソードです。

しっかりものの姉ちゃんは鳥が好き。
ささやかな生活の楽しみとして、鳥かごに鳥を飼っています。

弟は姉ちゃんと不仲になり、行方知れずになった先で、
「姉ちゃんが好きだった鳥」を飼い始めるのです。
しかもアパートの部屋に「放し飼い」なんですよ。

姉は、カゴの中の鳥。
弟は、カゴにおさまらない自由人。とも言えるし、

やさしい姉は平気で鳥をカゴで飼える。
やんちゃくれの弟はカゴの鳥をかわいそうに思う繊細さがあり、放し飼いにする。とも言えます。

映画って、時間が経つとストーリーは記憶から薄れ、
ディテールだけ残ったりするものです。
鳥が放し飼いにされたアパートの一室は、「残る力」があります。

今、映画は和洋問わず、「設定は突飛で、ディテールは定番」傾向にあると感じます。
『アバター』なんて、その代表みたいな映画です。
面白い設定、すばらしい映像技術、そして結局は中盤から戦争映画になっちゃって、
「戦って、強い方が勝って、おわり」の話です。

ひょっとしたら、企画を通すための「設定、あらすじ」にエネルギーを注ぎ、
そのあとの製作「脚本、演出」に時間をかけないのでしょうか?


話は『おとうと』に戻りますが、吉永小百合さま、お綺麗です。
もう、信じられないくらい、お綺麗です。才能です。
綺麗でいることが義務づけられている存在なのかもしれません。
そのまま綺麗で居続けて欲しいです。

映画だったか、ドラマだったか、よく覚えていないのですが、
昔、「吉永小百合初めての汚れ役」というウリ文句で、
うらぶれた街に住む薄幸な女性を演じたのが記憶に残っています
たしかショートカットで、地味なズボンみたいなのを履いて、
漁港かなにかの食堂で、天丼を食べるのですが、
「てんぷらにはソースが好きなんです」というセリフがあったと思う。
そしてソースをかけたんです!

てんぷらにソースです!

ああ、このシーンもういっかい見たい!
うらぶれた薄幸な女性の育ちを見事にあらわした「てんぷらにソース」

このドラマ(か映画)記憶にあるかた、教えてください。
タイトルなんでしたっけ?

ちなみに…
わたしの実家ではいつも天ぷらにソースです…

うらぶれた薄幸の…J。

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コメント

こんばんは♪
小百合さん 素敵です。
「北の零年」のさゆりさんも綺麗でした。
出演者は覚えているのに、ストーリーが・・・。

ショートカット、うらぶれた街という事ならば
「玄海つれづれ節」あたりでしょうか?
違っていたらごめんなさい。

サユリストですね!
北の零年ではほんとに美しかったです。
小百合さんは「雪」とよく似合います。

わたしも「玄海つれづれ節」かなと思って
実は今日、借りてきました。まだ見ていません。
てんぷらにソースのシーン、あるかなぁ
なんか、無いような予感がするのですが…

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