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2010年12月 5日 (日)

惜しまれる天才の死『東京ゴッドファーザーズ』

夏の終わりだったかな。娘がぽつりと言いました。

「アニメの監督が亡くなったんだけどね。
亡くなったあと、手記がブログにアップされてね。
『死』に直面した人の気持ちがリアルでね。
怖いし、胸がいっぱいになっちゃった」

今敏(こんさとし)監督の死はその手記でわたしも知りました。

すごいなぁ。
手記も作品です。
ものすごく死を身近に感じ、怖かったけれども、
そういうふうな感じ(手触り)なのだろうなぁ、と。
もやもやした中で、想像がつき、ストン、と。
腑に落ちて、落ち着いたというのも、なくもないです。

今監督作品は『パプリカ』しか観ていません。
試写で観たのだけど、交通事故に遭ったような、
妙なショックがありました。

正直言って、作品の想像力、妄想力、大きさについていけませんでした。
頭が痛くなって、ぼうっと眺めていました。
誰かの手がわたしの脳内に入ってきて、ぐーちょきぱーをしているような、
「そんな無茶な」感がありました。

ところがつい最近、別の作品を観ました。
『東京ゴッドファーザーズ』

なーんとまあ、すんばらしいではないですか!
すんばらしい上に、ついていけます。

筋をひとことで言えば、
ホームレスが、拾った赤ん坊を両親に届ける。という話です。

実写だと、この企画は通らないでしょう。
ホームレスをメインの役にすると、嫌われます。
なぜだか全然わからないのですが、企画が通らないんです。
世の中、決定権を握っているのは、8割り方、わからず屋です。

さてこのアニメ、メインのホームレスは3人です。
おっさん、オカマさん、少女。この3人が仲間です。
赤ちゃんがなぜ捨てられていたか、両親は誰か、
そして3人のホームレスのそれぞれのプロフィールが
話の中で徐々に明かされます。
この、わかっていくタイミングが絶妙なんです。

緻密です。
精神的にも緻密な作りです。
創り手は頭が良いだけではなく、心が美しいのでしょう。

原作も脚本も監督も今敏です。
このアニメを観た後、もう手記を読む気がしません。

こんな作品が生まれる脳の持ち主の死。あー惜しい!


緻密な作品は自分で作る。それしか無い!

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