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2010年12月29日 (水)

カールじいさん、あなたもか

  
「不気味の谷」ってことば、ご存知でしょうか?

そっくりの一歩手間は「ぶきみ」になる。ロボット工学上の考えらしい。

人間に似過ぎたロボットは、似過ぎているがために
似てない部分が目について、違和感を感じる。ということらしい。
鉄腕アトムは人型ロボットだけど、目は大きすぎるし、頭にツノがあるし、
人間とかけ離れているから、かわいいんであって、
蝋人形とか、たしかに怖い。
似ているのに動かないから怖い。
似顔絵なんかも、あまり似過ぎていると気持ち悪い。

アニメーションも、そう。
人間の動きをコンピュータで読み込んで
動きをリアルに表現するモーションキャプチャーだっけ、とか3Dは、
わたしてきには気持ち悪い。
そんなにリアルにするなら実写でやればいいんであって、
アニメは記号化された画のムコウに、こちらの想像の余地があるからこそ
楽しいのだ。…と思ってるのはわたしだけかもしれない。

だから個人的に、動きがリアル系のアニメは避けてるのだけど、
あまりに評判がいいので、観てみた。

『カールじいさんの空飛ぶ家』

_

  
これ、愛妻を失ったじいさんが、もうこれ以上何も失いたくないと、
たっくさんの風船を家につけて、すべてを持って冒険にゆく。というお話。
人生とはなんぞや。ものや、ひとや、思い出や、夢。
考えさせる話になっている。

じいさんとおくさんのなれそめの見せ方はなるほどおしゃれだし、
その家に侵入しちゃった少年のキャラクターがとびぬけていい。
この少年の表情とおしゃべりは、3時間くらい鑑賞したい。
『カールじいさんの空飛ぶ家に乗った少年』とタイトルを変えて
別バージョン欲しいくらい。

そういえば昔、『イルカにのった少年』を歌ったアイドル歌手がいた。
昔は今より型にはまってなかったな〜、アイドル。

『カールじいさん…』は予想よりはるかに面白い出だしで、
不気味さも気にならなかったのだけど、
案の定。
案の定、展開は定番になる。

起・承・定番・結。の流れです。

ディズニー映画なのに、変わった滑り出しだなと思ったら、
ディズニー映画だから、やっぱり定番なのだ。

アメリカの定番。

『アバター』と同じ展開。つまり、「戦う」の。

大作は途中から全部おなじになる。
戦って勝って、カタルシス、ってパターンだ。

シナリオ的には「落ちる」とか「ぬけ」とか言われる。
これって業界用語なのかな。わからないけど、
企画を検討するとき「これでは落ちない」とか「ぬけない」と言う。

ためてためてためた思い(ジレンマ)をすーっと昇華させる。
それが物語には必要なんだけど、そのために「戦わせる」ってのはどうなんだろう?

これわたし、どうも苦手で、戦わずして終わるシナリオを書いて
叱られたこと、ありんすが、
自分が面白いと思えない話を提供するのに抵抗がある。
できない。
そこがうだつがあがらぬ理由かも。かもかも。

戦い方もいろいろあって、ある意味、戦いの無い人生は無いのだけど、
敵が追って来てドンパチやったり、死にかかったり、どうもね。

飽きた。
白いご飯は飽きないけど、戦いは飽きた。

で、「戦う」シーンはナガラ見しちゃった。
だってもう、つまらないんだもの(私見です)。ごめんなさい。
レベル高いんですよ。知恵を絞って面白く戦っていました。
手を抜いてないです。これはほんとです。

冒頭の、30分だけだったら記憶に残る名作なんだけど、
最後まで観たら、印象が薄くなった。

定番は作る方も見る方も安心なんです。安心するので記憶に定着しない。
やはりわたしは、下手でもごつごつ、個性があって、
「なんか、トンがったもの見たぞ」を目指したい。


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コメント

へぇ〜カ-ルじいさん?戦いがあるんだ〜人間生きているだけで当然様々な戦いはあるにしても〜題名見るだけなら,冒険旅行映画なんだと思った?最後は奇麗なお姫様と結婚出来て良かったね〜程度の映画だと信じていたが?少年のキャラが強いなら映画の宣伝でもっと全面に押し出せば良いのにと思うが〜でもきっと見ないな〜日本人はなぜ?ディズニ-と名前がつくと飛びつくのかな?私には良く分からないが,ブランドなんだろうね〜今年最後のメルマガですね!

michiさま
実はこの映画、結婚して何年もたった男性が見ると
いろいろ哲学的な視点で感じることが多く、深い話になっています。
すべてのものを捨てられずに背負って生きている男性の、残された人生を象徴しています。
ディズニーキャラはわたしもどれも好きになれず(プーさんは許容範囲)、
ミッキーマウスの顔は「くどい」と思います。
のらくろのほうが好きです。
ブログは年内も年始も更新するつもりですが、
今日思いがけずMacが届いたので、とりあえず移行作業にかかります。

「不気味の谷」。始めて知った言葉ですが、前から知ってたような気がするほど、すごくわかりますー!当方は最近「模倣の隘路」という表現を作りまして、ああそういうのって、「谷」とか「隘路」なんだなって。

当方もプーさんはシェパードのがいいし、「ティガー」じゃなく断然「トラー」なんですよね。ディズニーアニメじゃなく、石井桃子先生訳のご本で育った世代。
アリスも全くもってテニエルのがいいですしね。

しかし、
「レベル高い」「知恵を絞って面白く」「手を抜いてない」
なのに
「つまらない」

ああ。
つらい。
でもあるんですよね、そういうこと。それもよーく分かります。
それこそ、「ものづくりの荒野」なんでしょうかね。

蔦谷Kさま(「当方」でわかりやした)
模倣の隘路。かっくいい表現です。わたしの手では書けない漢字。

>「レベル高い」「知恵を絞って面白く」「手を抜いてない」なのに「つまらない」

そうそう、哀しいけど。あるんです。
ものづくりの荒野。これまた言い得て妙ですね!
一瞬のひらめきは個性があっても、知恵って絞ると結局、どこかマニュアルちっくで、
良品は限りなく無個性になってしまうのかもなーと思ったりします。
個性ってゆがみですからね〜

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