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2010年12月 3日 (金)

観客を信じてるぅ 『ある愛の詩』

『ペーパー・ムーン』があまりに良かったので、
主演のライアン・オニールの若き日のヒット作『ある愛の詩』も観てみました。

この映画は有名ですが、食わず嫌いでした。
「定番の難病ものでしょ?」とか
「恥ずかしくなっちゃうような大味青春ラブストーリーでしょ」と、
軽んじていました。
なんとおろかしい先入観で避けていたことか。

1970年のアメリカ映画。低予算で作る事が条件だったそうです。
アーサー・ヒラー監督はそのぶん知恵を絞ったんですね。

ストーリーは恋愛ものの基本形なのですが、
シーンの美しさ、セリフの意外性、おさえた演出で大成功しています。

Jpg

 
裕福な家で育ったハーバード在学中のぼんぼんが
宗教も育ちも違う鼻っ柱の強い女性と恋に落ちます。
父親と縁を切ったぼんぼんは、彼女と結婚し、彼女に稼いでもらって大学を卒業し、弁護士に。
こんどは彼女に好きなことをさせてあげたい…そんな矢先に彼女は不治の病に倒れます。

ね?

当時は画期的だったのでしょうが、今となっては定番の難病ラブストーリーです。
このプロットだけでは見る気がしません。
「騙されたと思って観てごらん」としか言えません。

ぼんぼんは縁を切った父のもとへ行き、金を無心します。
彼女の治療費ですが、彼はそのことを父には言いません。
このとき彼は何と言って父から金を借りるか。

そうくるか!

ここ、絶妙です。
わたしにはこのセリフは書けません。

この映画は大ヒットしたが故に、
その後数々の恋愛映画、ドラマに影響を与えています。
日本のドラマでも「あ、このシーンはオマージュ(別名パクリ)だな」と
露骨にわかるものがたっくさんあります。
たっくさんあっても、この金を借りるシーンはパクれません。

これは、観る人の精神レベルを信じたセリフです。
ここにぼんぼんの「立派に大人になり、すべてを引き受ける」覚悟が見えます。
エラいぞ、ぼんぼん、いっぱしのオトコになった!

さらにわたしを仰天させたのは、ラストへ向かう数分間です。
ここもパクれないでしょう。

最近のドラマや映画に多いのは、死ぬシーンをじっくり見せて
叫ぶわ、泣くわ、ドウダドウダとこちらの涙を強要します。
こっちも泣かないと悪いかな〜と思うのですが、
登場人物があまりに号泣し、ヨダレまで垂らしているので
こっちはいいや〜と覚めてしまいます。

この映画は違います。
登場人物は泣いてないのに、こちらが泣けてくるのです。

良作ですね。傑作です。
やっぱ知恵を絞るとといいものができるし、ヒットもするんですね。

未見の方、騙されたと思って観てください。
前半のいちゃいちゃぶりにサジを投げず、最後まで観てください。


オリジナルサウンドも豪華。
映画を未見だったわたしも知っている名曲です。
タイアップで「時代劇に一青 窈」なんていう無茶はしません。
あれはほんと、やめてほしいな。


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