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2011年1月12日 (水)

涙と笑い 『新しい人生のはじめかた』

 
ダスティン・ホフマンとエマ・トンプソン。中年男女が出会ってたったの二日間のお話です。

公式サイトはコチラ

そこそこの良品かしらと思ったら、あらま、すんばらしい。
見てて涙と笑いが交互に来ました。
クスッと笑ってジワッときて、クスッと笑ってジワッとくる。
ストーリーに激しい起伏はありませんが、1秒1秒が楽しめます。
会話がいい。

Photo_3

 
ここには同情すべき人間がふたり出てきます。
ふたりは取り立てて良人でも悪人でもありませんが、
日々、ちくちくとみじめな思いを味わっています。

ある程度生きてきたら、みじめな思いは必ずどこかで味わうものです。
わたしは、ええ、さんざん味わってきました。
人から同情され、自分からも同情され、みじめで、はずかしく、
砂をかむような思いでひとり街を歩く。
社会からはじかれ、ひざを抱えてうずくまり、
目の前に差し出された手を喜んで握りしめようとしたら、振り払われ、笑われる。
みじめです。

そんな気持ちに少しでも覚えのある人間なら、この映画は身に染みます。

ある程度歳を重ねたのに、みじめさを知らない人は、ラッキーとも言えますが、
鈍感なのかもしれません(ひがみ的発言すみません)。
また、頑固でない人も、面白みがないですね。信用できません。
誰にだって譲れない硬質な部分があるもので、これがない人は
嘘を付いているか、自分が無いのではと思います。

ダスティン・ホフマン。歳とって、いい感じです。
『卒業』は有名ですが、わたしはあの映画どーも好きになれません。
あの結末。あのあとふたり、どないするねん。

エマ・トンプソン、こんなに太ってましたっけ。
役作りなのか、ごつごつどっしりと、いかにもおばちゃんなスタイルで、
生き方の不器用さを表現しています。
彼女の体のシルエットを見ていると、自分を見ているようです。
わたしの体は小さいですが、精神はあんなふうにごつごつどっしりと、
もてあますくらいに大きくて、ハタ迷惑にゆがんでいて、不器用です。

みじめ。だけど、頑固さを失わない。これはそんな大人の映画です。

深いけど、プラトニック。プラトニックだけど、濃密です。

大人、必見。
 
 

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シネマdeぶんぶん」カテゴリの記事

コメント

邦題はこうなったんですね。

私もこの映画、ホフマン演じるハーヴィーとケイトがお互いを必要とし合っているのが共感できる部分ではあるのですが、ハーヴィーがケイトに当初執拗にからんでいる、怖い、と感じたのも確かです。
う~ん、人生って冒険だなあ。

そう!書き落とししてしまいましたが、ロバートデニーロの「みんな元気(2009)」を最近見て、
家族を養うために頑張ってきたお父さんって、家族の他のメンバーにとってはこういう存在なことはよくあるだろうなあ、と思いました。

それにしても、この邦題、何とかしてほしいなあ。

アンジーさま
原題はラストチャンス、とかそんな感じでしたよね。
ラストチャンスハーヴィー、かな? 必死だったんですね、彼。
そうそう、わたしもあのカフェでのからみ方はしつこいと思ったし、
電車で追いかけるのもストーカーっぽく見えました。
実はそこ、みっともなくって、すごく感心したんです。
みっともないことするの、勇気いりますもんね。

アンジーさま2
「みんな元気」未見です。
たしかイタリア映画に同じようなものがあったような。
リメイクでしょうか?

junnkoさん、「みんな元気」ウィキペディアにありました。
イタリア映画のリメイクだったんですね。
オリジナルのほうを見たいなあ。

アンジーさま
ほんとうだ!
調べたら、かの有名な「ニューシネマパラダイス」の監督ですね。
ちょっと観てみたいですねぇ

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