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2011年4月

2011年4月29日 (金)

白い花いろいろ

ある友人をイメージして、花を買ってみました。

Hana1

どのくらい会ってないかしら?
ほんとうに長いこと会ってなくって、
結局、
2度と会えないことになってしまいました。

最後に交わした会話はメールです。
先月、「受賞おめでとう」とあたたかい言葉をくれました。
「夢が叶ってしまって、ちょっともったいない気もするね」
そんな祝辞で、本もドラマも楽しみにしてくれていました。

入院先の質問には返事がなかったので
今は静かにいたいのでしょうと、追求しませんでした。
きっと、
そばにいてほしい人たちとおだやかな時を過ごせたんだと思います。

彼女の魂はきっと読んでくれる。
だから小説を懸命に仕上げなければなりません。

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2011年4月28日 (木)

鈴木先生

昨日の日記では「小説家のハシクレとして小説を読むべきかしらん」などと書きましたが
シナリオライターのハシクレとして、映画を見る本数は半端ではありません。
経済的理由からDVDでですが、週に5本は観ています。

連ドラは新しいクールが始まると、勉強のために
初回はなるべく見るようにします。

よければ続けて観ますが、そうでもないと2回目からは見ません。
ドラマの数、多いんですよ。
全体に視聴率が低迷しているのに、なぜかドラマは数が増えているように感じます。
すべてを見ていたら、人生が終わってしまうくらい、時間をとられます。

近年、よかったな〜と最後まで満足したのは
『流れ星』(フジの月9)です。
月9(ゲツク)って、若者ドラマの老舗的枠ですが、
『流れ星』は抑えた演出で、練られたセリフが素敵で、
静かな流れに耳を傾けたくなるような風情がありました。

新クールで初回が面白かったのは月曜夜10時、テレビ東京の
鈴木先生』です。

面白すぎてびっくりしました。

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2011年4月27日 (水)

読むこと書くこと

 
少しは小説読まないとだめかなぁと思ったりしています。

小説で賞をとり、出版が決まり、改稿も順調です。
わたしも小説家のハシクレになりかかっている状態です。
そんなわたしが、「好きな小説は?」と聞かれて『赤毛のアン』と答え
「他には?」と聞かれて『あしながおじさん』と答え、
「好きな作家は?」と聞かれると志賀直哉とか芥川龍之介とか(みんな死んでる)、
あきらかに読書量が足りない。
読書のピークは中学時代でした。寝ずに読んでました。
歩きながら読んでいて電信柱に激突したりしました。

大人になるとペースが落ちまして、
現代作家は友人が貸してくれると読む。という感じで
熱意が足りません。

そういえば、芥川龍之介。
かっこいいですよね、顔が。
中学の教科書に載っている顔、素敵でした。

Ryuu

教科書でお会いする前に、小学生の頃から作品は読んでいました。
高校時代は『羅生門』の続きを書いた記憶があります。
「続きを書け」と宿題が出たので、書きました。
それを読んだ現代国語の先生が「1時間授業あげる」と言ってくれ、
よくわからないまま、授業をやりました。
どんなふうにやったんだろう?

芥川作品好きです。当時買った文庫を今も持っていて、
ときどき読みますが、今読んでもほんとうに面白いんですよ。
原案は中国の古典だったりするそうですが、そこからの発展がすごい。
一作ごとに文体も違ってたり、工夫が見られて、展開が読めない。
芥川さんが今生きていたら、脚本も書いてたと思う。
作戦の人だから、絶対、うまいと思う。

あまり有名じゃないけど『蜜柑』という作品が好きです。
短編集に入っています。スケッチ風で好き。

出版業界のことはよく知らないのですが、
芥川賞と直木賞くらいは、名前は知っていて、
でも違いがわからないんです。

ある芥川賞受賞作を読んだとき(これも友人が貸してくれた)、
「あれ?」と。
最後まで読みましたが、よくわからなかったんです。
主人公の心情に感情移入できなかったです。
そこが狙いなのかもしれません。
感情移入の拒否。なんか、かっこいいような気もします。

一方、芥川龍之介って、かなり作為的な文章です。
作戦をいっぱいたてて、推敲もいっぱい重ねて、文章を研ぎすまし、
読者をぐいぐい引き寄せる。サービス精神にあふれています。
登場人物はいい人ではないけど、美しいものを美しいと認め、敗北感を持つ。
そんな健やかな倫理観の裏打ちがありました。
そんな人の名前が付いているのですから、そういう作品が選ばれるのかと思ったら
そうではないみたいです。
むしろ、アートです。
芥川作品とは「短編」という共通点がありますけどね。

優れた短編だと芥川賞になるのかもしれません。
じゃあ、優れた長編が直木賞なのかな。
直木さんって誰?

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2011年4月26日 (火)

夢しか語れない

昨日の日記に登場したコンビーフですが、これで大きさがわかるでしょうか。

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こんだけで、898円です。

避難所生活が始まったとして、周囲に配る気遣いができるでしょうか?
隠れてこそこそ食っちまう自分、想像したくないなぁ。
自分の良心が試されるところです。

本日、電車に乗っていますと、駅でドアが開いたとたん、
年配の女性が人をかき分けるように入って来て席に座り、
となりの席を手で押さえ、他の人を座らせず、
夫が来るまで席を死守する姿を目撃しました。

観劇帰りなのか、貴婦人のような服を着ていましたが、精神は卑しく見え、
その一方で、年老いてもそうやって立ち回らないと席を確保できない社会も
なんだか悲しいと思いました。

自分はああいうふうに席を確保する人になりたくないけど、
ノザキのコンビーフを配るのに断腸の思いがあるわけで、
同じ穴のムジナかもしれません。

話は変わりますが、
先日の『ハーバード白熱教室』で面白い発見がありました。

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2011年4月25日 (月)

アロマに凝る男

夫がアロマテラピーにハマっています。
あの、香りがするオイルで、心身リフレッシュする?とかいう(ちがうかな)
アロマテラピーです。

夫は鼻毛が白いです。
初対面の時に見つけた白い鼻毛が今も健在です。
鼻毛の白い夫がハマるにはあまりに今的で、おしゃれすぎる気がすのですが
ハマったものはしかたありません。
ハマったと言っても、夫は一滴も持っていません。
アロマテラピーについて調べることにハマっています。

さてさて研究の結果、「これだ」という手応えがあったらしく
とうとう「買い」に出るそうです。

わたしは少し心配だったので、買い物に付き添うことにしました。
なにが心配かというと、金額です。
夫の研究結果を聞いたところ、アロマの種類や効果以上に
夫が気にしているのがお値段で、少しでも安く手に入れようと
苦心惨憺(くしんさんたん)しているのです。
その苦心たるや、いじましいものがあります。

ファイルひとつ買うのに100円ショップを渡り歩いて比較研究するような男です。
指輪もバッグも要らないというわたしの言葉を真に受け、
「安上がり=いい女」だからと結婚した男です。

お値段本意でものを買いかねません。
わたしはそれが心配なのです。

夫が使うならばどんなバッタもんでもかまいません。
100 円で買って、かえるのしょんべんが入ってたとしてもかまいません。
夫の母が使うものなのです。
そうなんです。夫は鼻毛が白いくせに何故アロマにハマったかというと
おかあさんに元気になってほしくて、なんですね。

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2011年4月24日 (日)

ポチのこと

ひとしごと終えました。
ひとしごとに過ぎませんが、ひといきつきます。

今日はこのあと羽を伸ばしていいと思う。
自分で自分に羽を伸ばすことを許可します。今日だけ。

今日は市議会議院選挙もあって、午前中に行って来ました。
近くの公立中学で行われます。

選挙で中学校に入れるのがとってもうれしいです。
なぜって娘の母校だからです。保護者として何度か通った中学です。
最近の学校って普段は関係者以外出入り禁止です。ぶらっと入ることはできません。

選挙があると入れるので、「桜が咲いたわ」とか「相変わらず校舎はぼろいわ」とか
なつかしい気持ちできょときょと歩きます。

忘れもしません。
娘の入学式の日。冷たい体育館で式の進行を眺めていたら、
照明器具をガタガタ動かしている教師がいます。

あっ!

わたしの中学時代の担任教師です。
わたしは同じ市内の別の中学を卒業したのですが、
担任は「ポチ」というあだ名の理科の先生で、当時どう見ても中年でした。
当時の少女(わたし)がおばさんになったのですから
おじさんはおじいさんになっていてしかるべきですが、
ポチは相変わらず現役の中年でした。

まさかまさかと思いましたが、
その後なんどか保護者として中学に顔を出すうち、
廊下ですれちがう機会があったんです。
満を持して声をかけました。

「あの〜、もしかして〜」と近づくと、
「え? JUNKOちゃん?」と。
なんと名乗らずして覚えていてくれました。
阿呆な顔がまんまだったのかしらん。

いい気になって「あはは、ポチだ…」とつぶやくと、「こいつぅ」とにやりと笑い、
昔だったら出席簿でコツンでしたが、
幸いそのときは両手がビーカーで塞がれていたので、おしおきなしでした。

今では娘は社会人になり、ポチも定年退職しました。
でも中学校はあって、校舎も当時のままです。
校庭を眺めていると、運動会を思い出します。

さて、本日は校庭に一匹の大型犬がいました。

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2011年4月23日 (土)

乙女の男脳

携帯電話が鳴りました。
登録してない番号ですが、最近お仕事で出会いが増え、
そういうことは珍しくありません。
さっさと携帯に出ましたが、冒頭、聴き取れません。

別に相手がもそもそしゃべってるわけではないんです。
わたし、電話の冒頭って、たいてい聴き取れないんです。
わたしだけでしょうか?

自分の部屋で、あるいは道を歩いていて、その世界でものを見て音を聞いています。
その世界に集中しているので、別の世界の音声をとっさに聴き取れないのです。

以前、男脳、女脳という話題がさかんだった頃に、
ある本で「あなたの脳はどっちだ?」という診断テストがあって、
わたしの脳はどうしてだか、「ばりばり男脳」なのだそうです。
びっくりしました。
こんな楚々とした乙女の脳がオトコですって?
はっきり言いますが、わたしはとても女らしいです(自称)。
フリルや花柄が好きな、ばりばり乙女です(自称)。

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2011年4月22日 (金)

キャンディーズ

あまり暗い話題は書きたくないのですが、
元キャンディーズで女優の田中好子さん、亡くなられたんですね。
年齢を重ねるごとに魅力を増す、希有で素敵な女優さんでしたから、
とても残念です。悲しいです。

なんか、
キャンディーズって響き、なつかしい。
わたしは当時学生でしたが、歌番組もバラエティも見なかったので、
キャンディーズが歌っているのをリアルタイムでテレビで観たことがありません。

ただ、その、ひじょうに書きにくいのですが、

キャンディーズの◯◯ちゃんに似てると言われた時期がありまして、
(ええもう、おそろしくて書けません。怒っていいです)
それでキャンディーズってなつかしいんです。

大学4年のとき、教育実習に行った高校で
「◯◯ちゃん先生」と呼ばれたりしました。
(うそつけ!ってののしっていいです)

今だったら非常にありがたく、光栄ですし、うれしいことですが、
当時のわたしはテレビを見ないし、歌手のことよく知らないし、
「なにかに似てる」って、バッタもんみたいな感じがして、
あんまり居心地よくなかった、そんな記憶です。
(ばちあたりめ)

今は井上トロに似ていると言われます。
たいへん謙虚になったわたしは、井上トロに似ていると言われてうれしかったりします。


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2011年4月21日 (木)

麗しのスカスカ・シネマ

なんか今、書くのに熱中中なのです。
誤字ではありません。
ねっちゅーちゅー、です。

もともといつも書いてるんだけど、いつも以上に脳が物語にハマっていて、
1日があっという間に過ぎてゆきます。

疲れをとるために夜はDVDを見るのが習慣ですが
すごく疲れているときは、過去に観たものを観ます。
疲れないし、そもそもわたしって、しつこい性格なので、
本は十回くらい繰り返し読むし、映画だって同じのを何度も見ます。

昨日は『麗しのサブリナ』を見ました。

有名です。一応名作なことになってるけど、過去に観た時、
「なんじゃこりゃ」って思ったので、見直してみました。

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2011年4月20日 (水)

卒業

母から電話がありました。

「おとうさんがさぁ、ばかでさぁ」

また夫婦喧嘩でもしたのでしょうか。

「雨の日に庭に出たり入ったりしているうち、すべって頭をガラス戸に打ち付けて」

え?

「ガラスはパッキリ割れるし、頭から血が流れて」

ええ?

「もうあったまきてさぁ、いつも人のことあれこれ細かく注意するくせに、
 こうやって問題を起こすのはいつもおとうさんなんだから、いやになっちゃうわぁ」

それより流血はだいじょうぶでしょうか?

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2011年4月18日 (月)

ことごとく、MacMan

わたしはMacを使っています。
マクドナルドではなく、Macintoshです。

「Macを使ってる」と言うと、パソコンにこだわりのある人、詳しい人と思われがちですが
わたしはパゾコン、あんまり◯◯ないんです。

なぜ二文字を隠すかというと、
パソコンに知られるとパソコンがショックを受け、
わたしに親切でなくなるような気がして、怖くて書けません。
推し量っていただけたらと思います。漢字2文字です。

◯◯のないことはことごとく頭に入りません。
ダウンロードとかアップデートとかインストールとか、そんな言葉すらよくわからずに、
その場をのらりくらりとやり過ごします。

問題が発生すると電話をかけます。
お客様相談室です。Appleコールセンターとかいうやつです。
先日もかけました。

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2011年4月17日 (日)

原子力のゆくえ

 
昨夜『ハーバード白熱教室』で、震災後の日本について、
日本の学生、中国の学生、ハーバード大の学生、そして
日本の大人(石田衣良さん、高畑淳子さん、高橋ジョージさん、じゃぱねっと高田の社長さん)
が語り合いました。

サンデル教授が指揮官となって、意見を引き出す方式なので、
ふつうの討論番組と違って、秩序が保たれます。
そこでゆっくりと議論を聞くことができました。

まず「日本人は有事にとりみださないで秩序を守る」ことが賞賛され、
日本人にとっての当たり前が世界基準で言うと賞賛に値するものだと
知ることとなります。
日本人にしてみたら「有事にとりみだすんだね」と外国を知ることにもなります。

さらに、コミュニティの定義や、危険な仕事を引き受ける正義の動機付け、等々、
議論はどんどん広く、深くなってゆきます。

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2011年4月16日 (土)

叩く人、がれきの山

去年の2月に朝青龍が強制引退させられてから、
わたしは相撲ファンを潔く引退し、「見ない。考えない」ことにしています。

考えるとハラが立つので考えない。
あんな逸材を風評被害でやめさせる、社会というか仕組みに
アイソを尽かしたんです。

わたしはもともと朝青龍の相撲が好きでしたが、ファンではありませんでした。
ファンになったのは、サッカー騒動からです。
あれは事実をちょいまげした「出るクイ叩き」で、
帽子を被った漫画家さんや、帽子を被ってない脚本家さんが、
相撲のご意見番とばかりに口角泡をとばし
ひとりの外国人青年を追いつめ、精神の病にまで追い込んだ、
世にも奇妙な物語に見えました。どろどろ。

公平さを欠いているのではないか。
せめてわたしは応援しようと、ファンになりました。

その後奇跡の復活、さすが逸材と喜んだ矢先に
さらなる風評被害が押し寄せ、引退です。あーあ。

ファンとしては「こんな日本とオサラバして、モンゴルで成功してください」の境地です。
「日本の相撲にあっかんべーしてさしつかえありません」な境地です。
「あなたがなさらないのなら、わたしがします、あっかんべー」です。

バチが当たったと言ったら石原さんになってしまうので、言いませんが(でも書いてる)
その後相撲界は賭博、八百長問題と、次々問題が発覚。
もともとそういう世界で、なあなあに許されていたものが、
それを「つつく」という勢いができてしまったようです。
こうなってしまうと、相撲界はあわれなもので、
憎まれてやめさせられた朝青龍と、愛されて未だ横綱である白鵬の
どちらが幸運だったかも、微妙な話になってきます。

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2011年4月15日 (金)

被災地のレッドマン

先日テレビを見ていたら、津波でがれきだらけになってしまった場所で、
郵便局の人たちが、必死に作業をしている映像が流れました。
足場の悪い場所で、倒れたポストから郵便物を取り出そうとしているのです。

「がれきの中のポストからこうして10通見つけました。
 泥を払って綺麗にして、宛先に届けたい」

局員も根性ですが、ポストも根性見せてます。
自分は全身泥だらけで、足もぽっきり折れて、頭からがれきに埋まっているのに、
お腹には鍵がかかって、しっかり中身を守っているのです。

ところが、せっかくカメラが回っているのに、
そのポストのお腹からは一通も出てこなくて、局員さんたちは「ない!」と苦笑してました。
こういう無駄をいっぱいしないと、10通は見つからなかったと想像できます。

そのあと、ポストをトラックに積んで撤去する作業が始まりました。

わたしが書いたラジオドラマ『届けてレッドマン』の主人公は丸いポストで、
それも最後は撤去されていきました。
せつなくもあたたかいシーンです。

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2011年4月14日 (木)

なくしちゃったモモちゃん

図書館に行きました。

いくつかお目当ての本があって行ったのですが、
図書館や本屋さんは「お目当てに一直線、すぐ帰る」ってわけにはいきません。
ついぶらぶら、時間を忘れて居座ってしまいます。
わたしは本の背表紙を眺めるのが好きです。
背表紙をながめて、「ぴん!」ときたら手に取る。

わたしが初めて買ってもらった本は、
松谷みよ子の『ちいさいモモちゃん』です。

幼稚園で、毎日、先生が読み聞かせをしてくれたんです。
面白いのに「今日はここまでね」と先生は本を閉じます。
ああ、閉じちゃった! 失意です。

4歳かそこらですが、毎日の失意はコタエます。

続きが読みたい!
幼稚園の帰り道、母にそう言ったら、
母はその足で本屋さんに連れて行ってくれました。
そのときのこと、今でも覚えています。
本屋さんは売るのをちゅうちょしたんです。

「幼稚園児が自分で読むのはちょっと…無理ですよ」

今は対象年齢がどうか知らないのですが、当時は小学生向きだったようです。
たしかに絵本ではありません。
母は「そう、無理かしらね」と素直に相槌を打っています。

買ってくれるかな? くれないかな?
どきどきしながら待っていたら、買ってくれたんです!

うれしかったー!

普段、うちの親、気前良くないんです。
学習机はオフィス用のスチール製だし、すきやきは豚肉だし、
「欲しい」と言ってすぐに買ってくれるなんてまずないです。
だからこんなにも鮮明にその時の喜びを覚えています。

初めて買ってもらった自分の本。
帰ってページをめくる時、「幼稚園の先生」になったような
はれがましい気持ちになりました。

いっきに全部読んじゃいました。
「今日はここまで」なんてくそくらえです。
ばーっと読んで、その後なんどもなんども読み返しました。
わたしがあんまり喜んだので、
母は「これからは月一冊、本を買ってあげる」と約束してくれました。

わたしは本屋へ行くと、手にとって、「重たい本」を選びました。
一冊なら、字がいっぱいあるもの、量がたくさんのものがいいと思ったんです。
当時のわたしは背表紙じゃなくて、重さで本を選びました。
結果『世界少年少女文学全集』みたいなものになりました。
何を読んでも面白い年頃でした。

そういえば、学校の推薦図書とかは読んでないなぁ。
ほら、夏休みの読書感想文の課題図書みたいなやつ。

世界文学全集もぜんぶ面白かったけど、『ちいさいモモちゃん』は特別。
初めて手に入れた本ですからね。
大人になっても大切にしていました。

数年前、読もうと思ったら、どこにもありません。
離婚や再婚のドタバタで、なくしてしまったようです。
えーと、これ、けっこうな喪失感でした。
日本がたいへんな今、たった1冊の本で、あれこれ言うのははばかられますが、
さーっと血が引いてしまうような、喪失感がありまして…。
今でもときどき、押し入れを捜索したりしています(本日もしました)。

現在書店や図書館にあるものは、そのときの装丁と違います。
わたしが持っていたのは初版本なのかも。
1965年が初版だから、きっとそれ。

いつか古本屋さんで再会できたらいいなぁ。
表紙は白地で、きみどりの丸がいくつか縦に並んでいました。
背表紙は紺だったかなぁ。
ざらりとした手触りのハードカバーです。
中は、ときどきカラーページが挟んであって、人形の写真があるんです。

その10年後に出た『モモちゃんとプー』はうちにあります。
なぜか森昌子のシール貼ってある。

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のちに松谷みよ子さんの随筆『小説・捨てていく話』も読みましたが
こちらはたいへん重苦しい話で、ぎょっとしました。
明るいあたたかいものを生む背景にはこういう暮らしがあるのだなぁと
ある種の納得感はありましたが。

あれこれ思いをはせながら、児童書コーナーを歩いていると、

「おおやまさん」と呼び止められました。

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2011年4月13日 (水)

ななの日に

 
余震で東京もぐんらぐんらしていますが、
おでかけすることにしました。

創作にひといきつき、再び作業が始まるまでの間に、
一日でも頭をからっぽにしておきたいからです。

おでかけメニューは、「都心の駅ビルで、服を見る」に決めました。
わたしはお洋服が好き。
買わなくてもいいんです。見るだけでうきうきします。

今こういうのが流行ってんだな〜と、見たり手に取ったりするだけで
気分が明るくなります。
でかけると決めたら朝からうきうきです。

でかける直前に、正確な時間が知りたくてテレビをつけたら
「レベル7」の公式発表してました。

このたびの原発事故のレベルがチェルノブイリランクに認定されたのです。
とうとうきましたか。
かまわずでかけました。

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2011年4月12日 (火)

ののしる人、歌う人。

昨夜、うっかりテレビ朝日の『TVタックル』を見てしまいました。

わたしはテレビの討論番組は観ない主義です。
人が言い争うのを見るのが苦手だからです(ちっさ)。

主義や思想うんぬんの前に、お行儀の悪さが気になっちゃうんです。
人が話してる最中に割り込む、人の話をハナから聞かない(馬鹿の壁)、
大声を出した人の理屈が通る。
そういうギスギスした行為が神経に障って、お行儀の悪い人の話す内容なんか、
オール駄目、というふうに見えてしまうんです。

夫はわたしに隠れて『朝まで生テレビ』等々を見ているようですが
かのような理由で、わたしは討論番組は見ない主義です。

なのになぜ見てしまったかと言うと、食後、まったりしていて、
うっかりテレビをつけたら討論をやっていて、今大問題の震災についてですから、
目が離せなくなっちゃったんです。
結果、やっぱ見るもんじゃないな〜と思いました。

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2011年4月10日 (日)

結婚したい

本日、創作にひといきついて、テレビをつけたら、ニュースの冒頭でした。
統一地方選挙の速報です。

「投票時間を終了し、開票はまだ始まっていませんが、当選確実が出ました」

え?

驚きました。
まいどここで驚くのですが、開票しないうちに「当確」ですよ。

出口調査の結果で、「当確」出していいんでしょうか?

わたしはいけないと思います。

世間を知らないおばさんのたわごとですが、おかしいです。

正気の沙汰ではありませんので、チャンネルを変えました。

ナイス! テレビ東京ナイス!

『男はつらいよ』やってます。各局選挙速報まっただ中、マイペースなテレビ局。
わが道をゆくポリシーは立派です。
選挙の結果は、結果が出てから知ればいいんです。

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2011年4月 9日 (土)

哲学で見えた自分の底

わたしは去年、『ハーバード白熱教室』にはまっていて、
毎回「これをどう考える?」という課題に、自分なりにあれこれ答えを出しておりました。

こんな講義がありました。

実際19世紀に起こった事件です。
ヨットが大海で遭難、19日経った後、
船長が一番弱っている給仕の少年を殺害し、
乗員たちは少年の肉を食べて生き残ったという事件です。

「少年を殺して肉を食べた」という一点だけ見れば、言語道断の残虐行為です。
しかし一方で「最大多数の最大幸福」を目指す功利主義の観点からすれば
「全員が飢えて死んだ」のではなく「1人死んだが、複数生き残った」という
ことでもあるのです。

哲学の講義ではどちらの観点からも議論がなされました。
それぞれに、ちゃんと理屈がありました。

このヨットの事件は極論ですが、
「最大多数の最大幸福」を目指して社会を構築するのは、民主主義社会では基本です。
たとえば、耳が聞こえない人より聞こえる人のほうが圧倒的に多いので、
聞こえる前提で社会は構築されており、アナウンスや電話が存在します。
しかし、少数派も困らないよう、配慮はされています。
手話や電光掲示板で、情報を多重にしています。いますが、
聞こえない前提で社会を構築するまでには到りません。
歩けない前提、見えない前提で世の中はできてないのです。
最大多数の最大幸福という、「量」で考えると、それが限界なのです。

さてヨットの事件です。

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2011年4月 8日 (金)

それぞれのデビュー

 
夫がデビューします。

めでたく、デビューが決まりました。

きっと娘は喜んでくれると思います。
わたしはというと、そうですね、面白がっています。

夫はといえば、泣きそうです。
泣きそうになって「チガウ」と言い、肩を落としています。

ジャジャン!

花粉症デビューです。

鼻ずるんずるんです。
鼻、痛いんですって。

夫はあくまでも「風邪だ」と言いますが、
寒気がするでもなく、咳が出るでもなく、ただひたすら
鼻が変。
水が出る。
粘膜がむずむず、ひりひりする。んですって。
生まれて初めて味わう感覚。ですって。

娘はもともと花粉症ですので、いつもこの時期は苦労しています。
きっと家族に仲間ができたことを喜んでくれると思います。

さっそくメールで「父、花粉症デビュー」と吉報を打ちましたが、
娘からの返信はありません。
仕事中ですからね。忙しいんです、勤め人は。

イチイチコンナコトデメールウツハハヲモツムスメのキョーチューヤイカニ?

でもきっと喜んでくれる。

わたしはなにより娘を愛しているので、娘の幸せはわたしの幸せです。

夫、めでたくデビューです。

昨日花見につきあわせたのが原因でしたら、ごめんなさい。
砂ぼこりがひどかったので、わたしはマスクをしていました。
それで幸運にもデビューが遅れたのかもしれません。

ま、わたしの場合、さなだ虫も飼ってますしね。
心強い相棒です。

さなだ虫を飼うよう、夫に勧めてみます。
映画のクライマックスを説明する力がない夫は、想像力も貧弱なんです。
そんな夫に、さなだ虫を飼うことができるのか?

賭けですね。

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2011年4月 7日 (木)

どーんと、はんせいき!

どーーーーーーーーーーーーーーーーーん!

と。

とうとう、大台に乗りました。

半世紀生き抜いたど。

朝起きまして、ひさしぶりに体重計に乗ってみました。
こちらは年齢に比べてかなり貧相でして、中学時代とおんなじです。
まるでティーンのようなボディ(ものは言いよう)

みなさま、お祝いコメントありがとうございました。
わたしは無事に誕生日を迎えられました。

昨日の日記に「夫にプレゼント無しでよろしくと言った」と書きましたが、
これは震災に対する自粛行為ではありません。
ぜんぜん、ちがいます。
ぜんぜんちがって、むしろ不遜な、ふてぶてしい動機です。

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2011年4月 6日 (水)

その妻、あーるじゅーに。

昨夜からのことなんです。

夫はときどきわたしをじっと見て、「R12」とつぶやき、にたりと笑います。

呼称として定着させる勇気はなく、あいかわらず「JUNKOさま」と呼びますが、
「R12」という呼称へ移行したいようなそぶりです。

ちなみに彼は妻を「さま」付けで呼びますが、敬語ではありません。
「JUNKOさま」というあだ名みたいなものです。
「ツマブキくん」みたいなもので、そこまでが固有名詞なのです。

いくら「さま」を付けたって、そこに尊敬の念がいっさい無い場合、
それは敬語とは言えません。慇懃無礼と言えなくもない、むしろそっちの路線です。

ちなみに「R12」は敬語どころか蔑称です。

昨日途中挫折した映画が「R12」だったのです。
12歳以下のお子様は見てはいけません、な映画で、それを見られなかったわたしは
12歳以下のお子様精神だというわけです。

まあ、彼にしても、いきなり朝「映画行こうよ」とひっぱり出され、
電車に乗せられ(彼は震災後初乗り)、映画館にぶちこまれ、
いいところで「トイレ行く」だの「やっぱ見ない」だの横でごにょごにょ言われ、
帰りは「クライマックスを説明せよ」と尋問されたわけです。
飲食いっさい無しのこのような外出を強いられたのですから、
小さな反旗をちまちまひるがえしたい気持ちもわからないではありません。

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2011年4月 5日 (火)

頭が止まったら

昨日、「手が書いて、そのあと頭が直しをする」という話を書きました。
「手が止まるまで書くぞ」と威勢のいいことを書きましたが、
想定外のことが起こりました。

手が書いているのに、頭が止まっちゃったんです。
こんなことは初めてです。

「なに? なに書いてんのよ、手。この描写、いいの? だめ? わからにゃい」

全然、判断できないんです。
最近のわたし、手より頭の方が体力無いらしい。

そこで、「手が止まるまで」を撤回、「頭が止まったので」
トゥルー・グリット』を見に行きました。
頭が動き出す前にと、さっと行って来ました。

ところがまたまた、想定外のことが。

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2011年4月 4日 (月)

手が止まるまで

書いてます。
少し休みたいんです。ぽかっと一日くらい。
でも手が止まらないので、書いてます。
体がやばい。

先日お医者様に言われました。

休んだり、遊んだりするのも、人間の基本ですよ。と。

遊ぼうと思い、前日までは出かけようとするのだけど、夜中に気持ちがなえるんです。
やっぱ明日も書いていたいと。
書きたい気持ちが止まらないのです。

手が書いて、そのすぐあとに頭がそれを調整する。
そんな書き方をしています。ええと、つまり、
まず映像が浮かぶので手がそれを描写し、すかさず目がそれを読んで
脳が「よし」とか「だめ」を判断、文章を調整する。という、
お裁縫で言うと、返し縫い創作法です。

これはわたし特有なので、ほかの方がどう書いてるか知りません。
頭先行で作ると、わたしの場合はですが、面白く無い。
面白く無いというのは、書いている自分が面白く無い。
面白く無い作業はできないので、やったこと、ナーシ!

1日のうちで限界点があって、そこでバサッと、頭も体も倒れる感じです。
疲労というのもありがたいもので、限界を教えてくれます。

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2011年4月 2日 (土)

内田さんと会話してます

 
くたびれました。
書きつかれました。

限界です。本日の、限界です。

疲れたときは、メグ・ライアンを見たくなります。

『めぐり遭えたら』1993年アメリカ映画

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初めてではありません。観るの、もう3度目くらいかな。

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2011年4月 1日 (金)

乙女の誓い

わたくし、離婚します。

って、

一応今日(4月1日)じゅうに、うそ、いっこ、ついとこ。

バレバレですか?

うそ、って難しい。

このうそはパクリです。

猫毛フェルトの部屋』の裏パクリ。

ひにゃ祭り今度の日曜までだそうです。

わたしは小説の推敲が佳境に入り、かきこもり状態で行けませんが、
銀座にいらっしゃる方がいましたら、寄り道おすすめします。
 

で。

宣誓!
 
わたくしウーマンシップにのっとって、正々堂々、
相手に捨てられるまで、離婚しないことを誓います。

こんどこそ添い遂げられることを願ってやみません。
がんばるぞ!(何を?)

ところで、これ、な〜んだ?

Miro

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