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2011年4月15日 (金)

被災地のレッドマン

先日テレビを見ていたら、津波でがれきだらけになってしまった場所で、
郵便局の人たちが、必死に作業をしている映像が流れました。
足場の悪い場所で、倒れたポストから郵便物を取り出そうとしているのです。

「がれきの中のポストからこうして10通見つけました。
 泥を払って綺麗にして、宛先に届けたい」

局員も根性ですが、ポストも根性見せてます。
自分は全身泥だらけで、足もぽっきり折れて、頭からがれきに埋まっているのに、
お腹には鍵がかかって、しっかり中身を守っているのです。

ところが、せっかくカメラが回っているのに、
そのポストのお腹からは一通も出てこなくて、局員さんたちは「ない!」と苦笑してました。
こういう無駄をいっぱいしないと、10通は見つからなかったと想像できます。

そのあと、ポストをトラックに積んで撤去する作業が始まりました。

わたしが書いたラジオドラマ『届けてレッドマン』の主人公は丸いポストで、
それも最後は撤去されていきました。
せつなくもあたたかいシーンです。

 
さて、被災地の郵便局員さんは、日常の仕事をしただけです。
それが仕事だから、しているんです。
足場が悪く、命がけの作業ですが、やっていることは、
「郵便を配達する」という、日常業務です。

見つかった10通の手紙は、北海道とか東京とか、どこに行くのかわかりませんが、
出した人は、津波に飲み込まれた街の人です。
ひょっとしたら、まだ見つかっていない人が出した手紙かもしれません。

すると受け取った人は、連絡がとれず安否もわからぬ人から手紙が届くわけです。
ひょっとしたらそれが最後の言葉になるかもしれないし、
万感の思いで、その手紙をにぎりしめるでしょう。
泥を拭き取った封筒に、何を思うのでしょうか。

中には「愛してる」と書いてあるかもしれないし、
「お盆には帰ってこい」と書いてあるかもしれないし、
ただの「請求書」かもしれないけど(請求書もだいじ)、
ひとつひとつが貴重で、意味のあるものです。

郵便屋さんの日常業務が、誰かの一生を変えるほどの意味を持つかもしれません。
さぼっていたら実現しないわけで、誠意ある日常業務のたまものです。

わたしも自分の仕事を精一杯やろう、と。あらためて決意。
どこかでなにかがつながって、誰かに実りを与えるかもしれません。
泥だらけのポストが、カラだったと確かめるように、
こつこつ誠意を持って行えば、いずれ何かが生まれるかもしれない。

こんなときだから、日常を大切にしたい。丁寧に生きたい。
そう思いました。

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ぶんぶん的日常」カテゴリの記事

コメント

みんなが やるべき事を やってくれさえすれば いいと思うのです。
そして やるべき事を出来ない人たちの分を ほんの少しだけ
手伝ってあげる ゆとりを持てたら もっといいと思います。
やるべき事 = 保身 では無いですよね!

まあくん
そちらの復興、いかがですか?
テレビでお役人が自宅に戻れない人に「書類がないと申請できません」と言ってる
映像を見ました。自宅に戻れないから書類などありません。
だからこそ、申請に来ているのに。
「通常の決まり」はあるのでしょうが、一お役人でも心があれば、
自分で動いて上に掛け合うとか、なんか対応があるだろうと
不思議なものを見せられた思いでした。
日常を振りかざし、その実、日常業務をさぼってる、というふうに見えました。

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