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2011年5月12日 (木)

犬と猿の名作

東京は灰色の空です。霧のような雨が降っています。
実際、今日のは「縦に落ちて来る霧」なのかしら。
どこまでが「霧」で、どこからが「雨」なのか、
ひとつぶの直径で決まるのか、よくわかりません。

朝、ガス屋さんが警報機を取り付けに来てくれました。
ガス漏れ警報機で、5年持つそうです。
今あるものの期限が切れたので取り替えに来てくれたのです。
月払いだと数千円高くなる計算なので、一括現金払いしましたが、
イテテ。痛い値段でした。

5年持つのだと自分に言い聞かせます。
でも、5年後もここに住んでるかなぁ。

5年ってかなりの年月です。
はてしない道のり。

図書館で『怒りの葡萄』を借りて見ました。
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1940年アメリカ映画。
土地を搾取された小作人たちが、西部に夢を見て旅に出ます。が、
そこでも賃金を搾取され、労働運動の走りが始まる…
そんな流れの中で、家族の絆や人としての行動指針とは何かを描いています。

スタインベックの小説が原作。
監督はジョン・フォードです。

モノクロの古い映画です。
見終わった時に、違和感がありました。
この映画は主人公のヘンリー・フォンダが故郷へ戻り、家族と再会。
家族と共に西部への旅に出る…というスタートです。
旅を続けた先で、主人公は世の中を知り始め、もっと学ばねばと家族のもとを去ります。
ここで、物語としては完結しています。ところが、
ラスト、とってつけたように、残された母親の長ゼリフが入ります。
このセリフには人生の希望がこめられています。
女と男の違いも語られています。
のちにこの映画が名作と呼ばれるのは、このラストのおかげという評価もありますが、
わたしはこのシーンは蛇足で、物語をゆがめているように思えます。

映画のキモであるテーマを長ゼリフでわかりやすく決定してしまうのは、
手法として身もフタもないというか、あじゃぱあです。
なんのために2時間がんばったんだよ!と言いたくなります。
今まで丹念に描いたことをサーっと消して、塗り替えてしまうくらいの
存在感ある蛇の足です。

で、調べてみますと、なんとこのラスト、
監督を無視してプロデューサーが付け足してしまったのだそうです。

ザナックというハリウッドのプロディーサーですが、監督とは犬猿の仲で、
「映画は脚本と編集で決まる」と豪語していたそうです。
脚本と編集で決まるのは確かにそうなんですけれども、
それの決定権は監督にあるとわたしは認識しています。
そこまで監督を無視するなら自分が監督をすればいいじゃんと思いますが、
なんとザナックとジョン・フォード、この犬と猿はコンビで名作をたくさん作っているのです。

『わが谷は緑なりき』もです。いい映画です。好きです。
 
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仲良しごっこより、犬と猿のほうがいい仕事するのかなぁ。

そういえば日本のドラマ『北の国から』も
脚本家と演出家が殴り合いのけんかをした、と聞いたことがあります。

やはり…なのか。

そういえば、スタッフと出演者み〜んな仲良しって、
そんな名作あんまり聞かない。

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