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2011年5月 4日 (水)

特等席

夢を見ました。
古い大きな日本旅館の一室に、布団が敷き詰められていて、
その上に座って、男女が複数おしゃべりをしています。
中学とか高校の、体育系合宿所のようなイメージです。

男性は3名、あとは女性だったと思います。全部で10人はいました。
さあ消灯だ、となって、みながお布団に入りました。
気がつくと、わたしのぶんだけお布団がありません。

立ち尽くすわたしに、誰も声をかけません。
ただじっと非難するようにわたしを見つめています。

押し入れをのぞくと、湿ったようなお布団が残っています。
わたしはそれをひっぱり出しました。

敷き詰められた布団の間が少しずつ開いていましたので、
少しずつ詰めてくれれば、敷くことができます。
「詰めてくれる?」と聞いたら、みな黙って首を横に振ります。
わたしのお布団を敷くことは許されないようです。

途方に暮れましたが、見つけました。
みんなの足元に、畳が見えています。
みんなの足の方向に、長い隙間があるのです。

「足元ならいい?」と聞くと、誰かが「どうぞ」と言いました。
わたしはお布団を縦に半分に折って、畳の隙間に敷きました。
そしてお布団に入ろうとすると、いつのまにかそこにも人が寝ています。

だめなんだ。
わたしのいる場所はないんだ。
とてもさびしく感じましたが、当然のことのようにも思えました。
夢の中ですけど、そういう感覚に「慣れ」のようなものを感じているのです。

朝、目を覚ますと、わたしは自分の部屋でお布団に寝ていました。
寝る場所があることに安堵しました。
ここは、いていい場所なんだ。とてもうれしく思いました。

現在避難所にいる方達も、ひとりにひとつ、「ここだ」と思える居場所が
見つかるといいなぁ。
居場所が決まらないのはとても寂しいことです。

ふと、幼稚園の頃を思い出しました。
団地の友人達と『おはよう子どもショー』に出演した時のことです。
子ども向けの番組で、素人の子どもたちが体操のお兄さんと体操をするのです。
団地にテレビ局から勧誘が来たとかで、集団で参加することになったようです。

体操のあと、ロバくんのショーが始まります。
「さあ、となりの部屋へ行こう」と体操のお兄さんから号令がかかり、
子どもたちはいっせいに、ぱーっと走り出しました。

隣の部屋には低いベンチが一本置いてあり、子どもたちは我先にと座りました。
気がつくと、わたしひとり、座る場所がありません。
幼いながらも「まただ」と思いました。
こういうとき、いつもあぶれるのはわたしです。
一瞬、「全員座れるかな」と疑問がよぎるんです。
そのちゅうちょが間(ま)を作り、あぶれてしまうのです。

これから楽しいロバくんのショーです。
みんな座れたことにホッとして、誰もわたしを気にかけません。
わたしは途方に暮れていました。
みんなの邪魔にならぬように、そっと後ろで立っていました。

するとふわっと、体が浮き上がりました。
体操のお兄さんが、わたしを抱き上げ、たくましい腕でしっかりと、
見える位置に抱えてくれたのです。

わたしは出遅れたがために、結果的に
特等席でショーを見ることができました。
驚いたのと恥ずかしさで「ありがとう」が言えませんでした。

今、居場所がないと感じている人も、今、苦しんでいるがために、
「こんなにいい場所があったんだ」と思えるような
特等席に巡り会えると思います。
苦しんだり、待ったりしたからこそ、特等席と思えるのです。

出遅れても、要領が悪くても、だいじょうぶ。誰にでも居場所がある。
わたしはそう信じています。
見えてないだけで、今いるその場所かもしれません。

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コメント

夢ってなんだろう?最近は夢らしき物を見た覚えが全くない?
でも〜私の夢でうなされる事柄は決まっています!新聞です!
中学から高校と6年間毎日新聞配達をしました〜あの頃は普通の事でした!
でも〜夢を見るのは新聞配達の失敗の夢ばかりだった???( ゚д゚)ポカーン
配達する場所が分からなく成る夢を良く見た覚えが?実際には経験は無いのだが?
夢では起こるんだよね?何故だろう?分からないが数年うなされた〜(;ω;)
夢では半泣きです〜今は夢の経験が無いのだが〜何故だろう?

ちょっと凹んじゃうことがあったばかりなので
JUNKOさんの文がやさしい絆創膏になりました。
ありがとうございます。
避難所にいるわけでもないのに、弱っちぃハートです。

居場所はある、必ずある、信じる強さが自分を
救ってくれるんですよね。

michiさん
新聞配達失敗しないよう、当時、よほど緊張していたんでしょうね。
緊張するってことは真面目な証拠で、いいことだと思います。
michiさんは現在お忙しいのでしょう。
きっと朝起きるとぱっとやらなきゃいけないことがあるのでしょう。
わたしは朝目覚めてしばらくの間ぐずぐずお布団にいられる(要するにヒマジン)ので
夢を反すうするチャンスがあるんです。
起きてすぐ反すうしないとわたしも忘れてしまいます。


なみなみさま
わたしもなんです。凹んだばかりなんです。
がつんと凹んだら、こんな夢を見てしまいました。
そして、自分が救われたくて、こんな文章を書いたんです。
自分への絆創膏がなみなみさんにも有効に働いてわたしとってもうれしいです。
居場所はありますよ。
半世紀生きたので、その経験から少しは学んだのですが、
苦しんだ先に、必ず見えてきます。
信じて、今をやり過ごしましょうね。

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