« 地球は青い男です | トップページ | なつかしのお菓子 »

2011年7月11日 (月)

ひきだしのことば

中学時代は、スポーツ系の部活に入っていて
もう毎日がへとへとで、
疲れているのに本が読みたくて、
登下校時に歩きながら読んでました。

母がうるさいんです。
「本は目が悪くなる。せめて漫画にしなさい」って。

母に隠れてこっそり本を読むため、
おふとんの中で懐中電灯で読みました。

部活の帰りに塾に寄る日もありました。
ほったて小屋のような塾で、わたしが行くと授業が終わってたりします。
塾の教師と話すのが楽しかったんです。
読んでる本のことを話せる唯一の大人でした。

「夏目漱石って理屈っぽい」と言ったら怒られました。
「お前、その作家を語るならせめて10作は読んでからにしろ」
それからしばらくその教えを守ったため、たいへん無口になりました。

ある時、その人が言いました。
「お前、弁護士になったら?」

驚きました。
当時、学校でよく正座させられました。
宿題はしないし忘れ物が多かったんです。
たいして成績も良く無いし、周囲の信頼も薄く、そんなわたしがなぜ弁護士?
だいいち、面白い職業に思えません。
難しい言葉をいっぱい覚えなくてはいけなさそうです。

「お前はさ、ちょっと変わってるんだよ。
 たとえば数学の問題を、A(秀才の子)は下から理屈を積み上げて解く。
 お前はふろしきを上からぱっとかけて、からめとるように解く」

Aさんは誰もが認める優秀な生徒です。
わたしはその人と並んで語られること自体に驚きました。

「お前はお前でいい。劣っているんじゃない。違っているだけだ」

この言葉を最近思い出しました。
人に言われて印象的だった言葉は頭のひきだしにしまってあります。
その時理解できなくても、あとから引っ張り出すと意味を持ったりするんです。
この言葉、その時はピンとこなかったけど、思い当たることがあるんです。

OLをやっていた頃、上司の説明がわからず、ぽ・かーんとしてしまい、
周囲をがっかりさせました。1番がっかりしたのは自分です。
誰もがわかる秩序だった作業が、全く理解できなかったんです。
頭、真っ白です。

その時わたしは自分をバカだと格付けしました。
その判断は周囲の判断と一致してたと思います。

できることもありました。
部署が変わったら、急に誉められたんです。
「よくやった」と言われても、そう努力もしていません。
わかることはひどく簡単にわかるのです。
一方、わからないことは人一倍時間がかかるんです。
誰だって得手不得手はあるでしょうが、
わからない時のダメさ加減が半端じゃありません。

最近気付いたんですけど、
積み上げる思考法に慣れてないんじゃないかな。
すべてふろしきでからめとってきたのかもしれない。
だからできないことが多いんだ。

「劣っているんじゃない。違っているだけ」
その言葉を信じて、くじけず、自分にできることをがんばろうと思います。

今あの人はどうしてるんだろう?
自分が言った言葉が、35年も経ってひとりの生徒の気持ちを支えてるって
知らないだろうなぁ。

人気ブログランキングへ応援よろしくお願いします。

« 地球は青い男です | トップページ | なつかしのお菓子 »

ぶんぶん的日常」カテゴリの記事

コメント

背中をそっと押してくれるような言葉は嬉しいものです。
そういう言葉を言える、そういう行動ができる大人になりたいです。

しかし、日本丸は何処に向かっているのでしょう?

まあくんへ
ほんと、
すてきなことばを人にプレゼントできる、そんな人になりたいです。

新聞もないし、ニュースも見てなくて。日本丸、どうかしましたか?
そういえば最近くらくらするのは船酔い?

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/562780/52177246

この記事へのトラックバック一覧です: ひきだしのことば:

« 地球は青い男です | トップページ | なつかしのお菓子 »