« 北のカナリアたちと吉永さん | トップページ | そういうのもありかと存じます »

2011年11月30日 (水)

原作ありの楽しさ

昨日、『北のカナリアたち』の記者会見で
小説家の湊かなえさんが脚本家の那須さんと並んでいました。
おふたりを見ていて、ふと思ったんです。

湊さんは以前シナリオライターでしたが、もうシナリオ書かないのかな?
ご自分の小説のシナリオ、自分で書きたくないのかな?

わたしは自分の小説が映像化するとき、シナリオは自分で書きたいです。
楽しいからです。

逆に、シナリオライターの立場で言うと、
自分の小説に限らず、ひとさまの小説を原作としたシナリオも書きたいです。
楽しいからです。

オリジナルのシナリオの楽しさはもちろんありますが、
原作もののシナリオを書くのって、すごく面白いんです。

原作の魂をさぐって、それを活かすにはどうしたらいいか。
どこを削って、どこを膨らませるか。
登場人物の増減はもちろん、性別も変えたりします。
人とアイデアを出し合い、作っていくのは
ゾクゾクする喜びがあります。

過去には仕事で、既存の推理小説の映像用プロットを2本、
古典の映像用プロットを1本書いたことがあります。
だんだんオリジナルの仕事が増え、原作ありの仕事はなくなりました。

某局の新人ライターを集めた勉強会では、
松本清張作品を原作にシナリオを書かされたことがあります。
オチもタイトルも変えちゃって、怒られました。
「なんでまた! …(説教説教説教)…でもまあ新鮮でした」

だって。
絶対変えたほうが面白いんだけど。
松本さんも「なるほど」って誉めてくれるはず。

原作の魂は残すべきだと思っています。
でないと「名前を借用」しただけになり、
小説に申し訳ないし、原作ありの意味がない。

ドラマも映画も原作者の名前は大きく出るけど
脚本家の名前は出たり出なかったりです。
でも映像化には脚本家の力が不可欠だし、力量が問われます。
かといって、脚本家の作品です、とは言えません。

映像にはやはり監督の世界観が1番大きく影響します。
脚本家は監督の世界観を越えることはできません。
実はそこが脚本家の仕事の面白いところなんです。

« 北のカナリアたちと吉永さん | トップページ | そういうのもありかと存じます »

ぶんぶん的日常」カテゴリの記事

コメント

私も湊さんの横に脚本家さんがいて、「告白」のときも思いましたが
シナリオ書きたいとか思わないのかなぁ、いろんな思いがあるのかなぁとか
思ってました。どちらにしても、すばらしいことだけど。

最後、監督の世界観を超えることはできない(うんうんそうだよなぁ)の
あとに、実はそこが脚本家の仕事の面白いところ、って
続き、いつかまた書いてください!
結局は自分が実感して腑に落ちないと本当にわかったとは思えないこと
だけど、「面白い」ところと感じたJUNKOさんの感じたことが知りたいです♪

なみなみさま
わたし、監督になりたいって思ったことないんです。
自分の脳内イメージをそっくりそのまま映像化したい人なら
監督になろうと思うはずです。
わたしは自分の脳内に発生した世界を広げたいんです。
だから、脳内イメージを文章という媒体で伝えて、ひととやりとりしながら、
世界を少しずつ構築して、最後は相手にゆだねて、どうなるか楽しみに待ちたい。
監督さんも役者さんも、わたしにとっては「イメージを広げてくれる人」です。
自分が描いた線描画に、みんなで色を付けてくれて、
最後に線は見えなくなって、色が驚きや感動をくれる。そんな感じでしょうか。

「自分が描いた線描画に、みんなで色を付けてくれる」、最後に
線が見えなくなって感動に変化している……そうなんですね、うんうん。
なんだかJUNKOさんの創作に対する姿勢みたいなものが
すごく伝わってきました。わぁ、いい言葉だし、沁み入ります。
ありがとうございます。
「カゲロウの羽」、東京でも放送してほしいなぁ。
タイトルも、すてきです。

なみなみさん
わたしはまだ経験不足で、見えてないこともいっぱいあって、てさぐりなんです。
シナリオは設計図でしかないし、設計図通りやるより、
いいものを作る方が優先されるべきだと思うし、
そんなあやふやな存在だけど、自分が関われる部分で、みな全力でがんばるしかないですよね。
「カゲロウの羽」、タイトルいいですよね。
わたしがつけたんじゃなくて、最初からあったんです。
そのタイトルに負けない内容をとがんばっているところです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/562780/53372759

この記事へのトラックバック一覧です: 原作ありの楽しさ:

« 北のカナリアたちと吉永さん | トップページ | そういうのもありかと存じます »