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2011年12月19日 (月)

死ぬ準備

カゲロウの羽のシナリオが完成したので、
近所の人に借りていた資料を返しに行きました。

このドラマは高知の清流・仁淀川が舞台になっています。
偶然なのですが、
うちの近所に、仁淀から移住してきた人々の集まり「仁淀会」があります。
4〜50年前に移住してきた方々で、仁淀で生まれ、育った人たちです。
当時の風景や生活感覚が知りたくて、
一度集まっていただき、お話を伺ったのです。

ドラマは現代の設定ですが、仁淀会の人々と同世代の登場人物がいるので、
その人間像を作るのに、手がかりになりました。

返す資料と共に、ドラマのサイトにアップされている情報を印刷してお渡ししました。
喜んでいただけました。

ついでに実家にも顔を出し、サイトの情報を渡しました。
実家は久しぶりです。

母は虫眼鏡で必死に情報を読みます。
そして叫びました。

「あんた、きれい!」

「あ、それは主演の女優さん」

あいかわらずおめでたい母です。
主演はあらいすみれさん。おきれいです。

母はやがてわたしの写真に気付き、
「まあまあよね」と言いました。

それから出版の話になりました。
母はまだ言ってます。

「いよいよだわ。本屋に立って、売るのね」

もうめんどくさいので「うん」と答えておきます。

「体が資本だからたくさん食べないと。足も鍛えないとね」

うんうん、うんうん。

母は小説といえば『罪と罰』しか読んだことがないそうです。
わたしのシナリオはひとつも読んでいません。
インタビュー記事などは嬉々として読みますが、
シナリオは読んでも数行でわからなくなるんだそうです。

来年出版される小説は「絶対読む」とはりきっています。
「長いから、無理だと思うよ」と言っても、
「一生懸命読む」のだそうです。

母が探偵モノだと思っている弁護士モノ。
母に読めるでしょうか。
読んだとして、どんな感想を持つのでしょうか。
あいかわらず「探偵が」と言いそうです。

ひさしぶりに父と母を見て、ひとまわり小さくなったと感じました。
なんでわたしはこうもグズなんだろう。
もう少し早く成果を見せてあげてたらと思います。
こうなったら少しでも長く父と母の命をつないで
ひとつでも多く作品を見せてあげたいです。

わたしが実家に上がった時、父は書き物をしていました。

「俺は写経をしているんだぞ」自慢げです。
小さくなった父を見て、ドキッとしたわたしは、

「死ぬ準備?」と言ってみました。

すると父は目をまーるく開き、にやりと笑い、
「そう、死ぬ準備」と言いました。

それはチラシの裏にボールペンで書かれています。
ビンボくさい準備だなぁと思いました。

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コメント

人間死ぬ準備なんて,絶対に出来ないでしょうね?
でも思い残す事も無く死ねるという事は,人生を全うした事だと理解出来ます.
一年が年々早く成る年齢だが,まだまだ全う出来ていないという事は準備出来ていないという事かな?

お父様お母様と いい関係を保たれているのですね。
そして お二方のおかげで JUNKOさんがいる。
感謝しないと。

michiさま
わたしはきっとだーっと走り続けて
あれもこれもやらなくちゃと思いながら
ある日バッタリ倒れるんだと思います。
未練たっぷりの幕の閉じ方もある意味しあわせかとも思います。


まあくん
ふたりがいないと、わたしという人間が生まれなかったんですよね。
なんだか不思議です。
みんなそうなんですよね。
命って奇跡と偶然なんですね。

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