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2012年6月20日 (水)

カントかぶれな日

本日は夫のお友達が訪ねてくださいました。
大学時代のお友達です。ご学友。

夫は交友関係ゼロに近く、打ち合わせ以外に外へ出ませんし、
いなもと(猫)を「ぼくのともだち」と言って、なでなでして暮らしています。

そんな夫の唯一(と言っていいくらい)の貴重なお友達ですから
遠慮なさるのをぜひうちにと上がっていただきました。

前日、部屋に散らかっているものを別室に放り込み、
人が歩けるスペースを作りました。

が、

当日、部屋のドアを閉めるのを忘れて、結局ぐちゃぐちゃがまるみえでした。
でも、スカイツリーと東京タワーを窓から見ていただいたので、
ぐちゃぐちゃは相殺され記憶に残らないと思います。もとい。願います。

せっかくいらしていただいたので
『猫弁と透明人間』をプレゼントしようと思ったら、
すでに読んでらっしゃいました。

すばらしい!
超うれしい!

あまりにうれしかったので、ずうずうしくも奥様の名前をお聞きし
本にサインし、強引にもらっていただきました。

わたしは午後打ち合わせがあり、出かけました。
電車の中で、ふと考えました。
もう読んだ本をプレゼントされてうれしいか?

ブルッと寒気がしました。
うーむ。

カントは言ってます。
「善意はその結果や成果のために良いものになるのではない。
 それ自体が良いものなのだ。 最善の努力をもってしても何も達成しない場合でも、
 善意はそれ自身が全(まった)き価値を持つものとして宝石のように光り輝く」

カントって、ときどき変なこと言うけど、
わたしこの言葉は好きなんです。美しい言葉だと思います。
だから、差し上げて良かったと思うことにします。

カントのこの言葉は、シナリオで成果が出ない時や、
小説に転向してコンクールに挑戦していた時、心の支えになりました。
善意とは違うけど、志を持って努力することは、結果にかかわらず
意味あることだと自分に言い聞かせ、ひたすら書き続けた日を思い出します。

さて、電車の中で、立っている白髪の男性に気付きました。
席を譲るべきか否か、グレーゾーンな外見です。
カントにかぶれたわたしは勇気を出して「どうぞ」と席を譲りました。

男性は「いいえ、結構です」とおっしゃいます。
遠慮かなと思い、もう一度声をかけると
「いいんですよ」と笑顔でおっしゃいます。

わたしはカントにかぶれているので、後悔はしません。
おとなしく席に戻りました。

すると男性は、車両を後方へ歩いていきます。
揺れている車内をたしかな足取りで歩きます。
バランス感覚、わたしより上です。

そして男性は、車両一番奥のシルバーシートに座りました。
わたしはハッとしました。

男性は「自分が立っていると周囲が気を使う」と考え、
空いた席に座ったのでしょう。

わたしが声をかけたために、返って気を使わせてしまいました。
いつもなら後悔するのだけど、今日はわたし、反省しません。
ささやかに気を使い合う、って、気持ちのよいことだなぁと思ったんです。

電車を降りると、ホームでその男性とすれ違いました。
互いに、にこにこっと笑って、頭を下げ、すれ違いました。

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ぶんぶん的日常」カテゴリの記事

コメント

読んだ私もにこにこっとなりました♪

 わたしも、にこにこ、した、1日でした。  昨晩嵐の中 アマゾンから、届き あらしが、終わる頃読み終わりました。
 なんと、続猫弁はすそ広がり、ますます磨きが、かかってーー面白かったです、すぐじぶんの、ブログに書き出し
 ましたが、 さて、私のおしゃべりが、ネタバレ?になったらどうしよう、と、思ったとたん、手が、止まりました。 笑

 透明人間 の、所在位置が、分かり、物語の軸、ねこべんさんの、大活躍ですね。
 ねこべんさんの、哀しい生い立ちが、ーーでも、負ける事なく、先を、よんで、楽しく、前向きにじぶんの、近くにいて
 くれる人を、大事にーー生きてきた猫弁さん。
 私は おもったんです。 きっと ご両親の、遺伝子  が、すばらしいのでは? 人がいいーーと言うけれど、
 環境で猫弁の、人のよさが、育つかな?  大山さんの、描こうとする、ひとりの、男性が浮き彫りに、書かれていま
 した。 いい人 は、気持ちがいいです。 まわりの人たちが、幸せに見えてきますもの、
 強い人の、魅力な、人間性が、 登場人物が、沢山出てくれば、出てくるほどーーー輝いていました。

 でも、ふと考えました  これを、シナリオにする事の、大変さがーーー。
 1話を、読み、観たフアンたちは 楽しみにしているんです。   続が、ある と、信じてーーー

 どうぞ、時間を、かけてーーー、いいものが、出来上がる事を、 祈っています。
 あの、キャラクターは、誰が? と、ふくらみ勝手に心の中で 遊びはじめました。

 ある人  ここで終わるのは  もったいないーーーと、   物語の、終盤に、かかる頃 わたしは、声を出し泣きたく
 なりました。  しあわせの、涙  大山さんの、やわらかい思いが ひたひたと、伝わってきました。
 いい物語ですね。 素敵な輝くセリフが沢山生まれてくるような気がして、楽しみになりました。有難うございました。

Kaeさま
にこにこの輪が広がってうれしいです。

ヒロミさま
嵐に届きましたか!
お買い上げありがとうございます。
配達のひともたいへんでしたね。
大きい透明、楽しんでいただけたようで、うれしいです。
ますます心を研ぎすまし、もっともっと書きたいです。
みなさんにヤッホー!なお知らせをお届けするべく、がんばります。

おせっかいだったかなぁ・・・とか、余分なことしちゃったな・・・と思うことが
多々あるのですが、カントですね。
よし。(今日の、脳内BGMは、デカンショ節でいこう。)

他人に座席を譲る事って,本当に勇気のいる行為です!
北海道の田舎には席を譲る機会も無いが?でもきっと声かけないな?
見て見ぬ振りが普通です!こんな事では駄目だなと思うが?

ところで旦那さん友人が少ないんだね〜私は多すぎて多すぎて?
何故だろう?お人好しすぎるのかな?ε-( ̄ヘ ̄)┌ ダミダコリャ…

全然読んだことの無いカントですが、そんな言葉があるんですね。
わたしも何かの時に思い出すようにしてみます。
ささやかに気を使い合う、っていいなぁ・・
黙って、何もしないと失敗もしないし、楽だけど、どんどん
仮面かぶったみたいな人になりそう。

すごく遅いですけど、やっと昨日「猫弁と透明人間」購入できました。
まだ近所の本屋さんには置いておらず・・
都心の某大手本屋さんに行ったら、「国内ミステリー」のところに
ありましたよ〜。
やっぱりJUNKOさんはミステリー作家??

まだ最初の数ページですが、もうワクワクしています。
早く読み進みたい、のに読み終わりたくない・・

淳子さまのブログ、すっごく楽しいです。
明るくて、ほんわか温かいご家庭が目に見えるようですね、それに東京タワー、スカイツリーも見えるなんて、
うらやましい・・・・カントの言葉、う~~ん、いいですね、(善意は、それ事態が良いのだ)
私も、この言葉、しっかり頭に心に刻みました。

猫弁の第2話、『猫弁と透明人間』私は、しつこくもドラマ化決定になってからと、逸る心を、抑えていましたが、
ネット上のお友達から、読んで宣伝して大山さんを盛り上げてね、と言われました。
なるほど、本が売れに売れたら、この先絶対に良い結果になる!!続編は勿論、映画にもと・・・
夢は膨らみました。
すぐその日のうちに、本屋さんに、残念!!売り切れでした。
お取り寄せを、お願いしたら、店員さんパソコン見ながら(在庫が品薄で、少しお時間がかかります)
の言葉に、ウヒョッ、うれしい。けど、チョット悲しい。

猫弁ファン(吉岡ファン)の皆様のブログ読んで、表情多彩な
吉岡百瀬を、想像して待っています。 

確かに、サイン本いただきました。
本当に、ありがとうございました。

大きい透明は、発売前にアマゾンに予約して入手いたしました。
田舎では、一番早く確実に手に入れる方法です。

旦那様にお会いするということを聞き、ぜひ本を持って行って、サインを・・・・
と考えましたが、そこは旦那様のお友達の主人 頼むなんて無理でしょう。
ましてや、じゅんこさんに会えるかどうかも分からないのに・・・・・
当然そうなりますよね。

帰りの高速の途中から、
「おみやげがあるから、帰ってからのお楽しみ。」
意気揚々とそれは自慢げに連絡をくれました。

本当にうれしかったです。大切にします。
帰宅した主人は、テンション上がりまくりで、いろいろ話してくれました。
いいご夫婦ですね。
私たちも、少しでもそうなりたいと思います。

今度機会がありましたら、ぜひ我が家にもおいでください。
お待ちしております。

おのださま
ふふ…デカンショ節。
哲学者って、こっちで良いこと言ってても、あっちで変なこと言ってたり、
わたしの勉強不足なのですけど、「このひとだ」という哲学者には巡り会えなくて。
でもひとつひとつの言葉は、光ったものを拾うことができたりします。


michiさま
お友達が多くていいですね。きっと人望があるんですよ。
夫は出不精ですしお酒も飲めません。ひとりぽつーんとしていますが、
妻のさわがしいおしゃべりを受け止めるのに忙しく、ゼーゼーいってます。


mikanさま
カントはあまりつきつめないほうがいいような気がするんです。
哲学ってどれもどっかひずみがあるように(素人考えですが)思います。
わたしは好きな言葉を見つけて、それだけを大事にしています。
大きい透明、ありましたか!
おおっ、わたしはミステリー作家なんだ!
トリックゼロのミステリー。
楽しんでいただけるとうれしいです。


遅咲きの桜さま
スカイツリー、ちっちゃいです。3ミリくらいに見えてます。
東京タワーはさらにさら〜に小さいです。
大きい透明、ご注文ありがとうございます。
ドラマファンの方は、見る前に原作を読みたくない方もいらっしゃるでしょうし、
好きな方法で楽しんでいただくのが一番だと思います
一方で、大きい透明が多くの人の手に渡り、多くの人の心に残ることが、映像化への追い風となります。
遅咲きの桜さんが注文してくださったことも、たしかな風になっています。
作者としてとてもありがたい気持ちです。


takayoshiさま
良かった〜! 
喜んでいただけて、ほっとしました。コメントありがとうございます。
いつもいつも、ほんとうに長い間、あたたかく我が家を見守ってくださり
困ったときは助けてくださって、感謝の気持ちでいっぱいです。
直接お会いしたことがないのに、長年のお友達のような気がしています。
こちらこそ、仲の良いおふたりがうらやましいです。
おいつきたいです。
ご主人も奥様もお忙しいでしょうけど、こちらを通る際は、
もっと気軽に寄っていただきたいとお伝えくださいね。
こちらも、ぜひこんど遊びに行かせてください。
おしゃべりするのを楽しみにしています。

JUNKO様

 カントの言葉を読んで、「大きい猫弁」の中の百瀬さんの言葉を思い出しました。
「生きていれば、誰かを傷つけます。辛いことですが、完全には避けられません
誰も傷つけたくなくて、じっと息をひそめても、そのことで傷つく人もいるでしょう」
この言葉、とても印象に残りました。
じっと息をひそめても、そのことで傷つく人がいるなら、前進しようよ。
JUNKOさんの生き方の基本のような言葉だったのですね。いい言葉です。

あじあんさま
そういえばカントの言葉と百瀬の言葉、ねっこは同じですね。
自分の意志とは関係なく人を傷つけてしまうことについて
わたし自身思い悩んだ時期があって、
わたしなりに答えを出してみたんです。
小説を書きながら、人生を考えています。

哲学者、といえば、以前、よみうり新聞の、人生案内というコラムに、
”猫は哲学者のようです”という精神科医のことばが掲載されていました。
愛猫をうしなったショックから、たちなおれない投稿者に、
猫は、けもくじゃらで生まれたことも、老いも、病気も、すべてを
受け入れ、懸命に生きていて、その姿が、飼い主に教えてくれることが
多々あると、精神科医が、諭していました。 案外、身近なところに
哲学者は、いるのかもしれないです・・・

Eikoさま
猫は哲学者のよう。ほんとうですね。
うちの猫が怪我をしたときそう思いました。
へーきのへいざな態度でした。
うちには亀もいますが、やはり哲学者です。
うーん。
哲学という学問が必要なのは人間だけなのかもしれませんね。

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