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2012年7月11日 (水)

異議てんこもり

先日、初めて裁判を傍聴したのですが、
わたしの性格に傍聴は合ってないと思われ、
今後しばらく、自分に我慢の耐性ができるまで、
傍聴はやめておこうと思います。

途中で叫びたくなったんです。

「異議有り!」

検事にではなく、裁判官にです。←無茶な!

おなかの中に何個も何個も異議が生まれて
口から飛び出そうとするのを飲み込むのに必死でした。
これ、吐き出したら「法廷侮辱罪」とかで
即、被告になっちゃうかも。

わたしは自己保身に走り、口を慎みました。
社会秩序は守りましたが、その実、日和った感じ。

被告は還暦をすぎた男性で、罪状は「恐喝」です。
飲食店で「金を出せ」と脅し、未遂に終わり、
その後コンビニで漫画を読んでいたそうです。
暴力はふるわず、実際は何も盗んでいません。
アルコール依存症で、記憶力も定かでない状態での犯行。
もちろん、悪い。罪に同情はできません。


被告は一人暮らしですが、
年金暮らしで病弱な母親と、
嫁に行った子育て中の娘がいます。

被告は今回の事件を母には報告しましたが
娘には連絡していません。

裁判官は言います。

「病弱なおかあさんを頼って、娘さんには連絡できない?
 娘さんのほうが経済力もあり、頼るべき人でしょ。
 あなたは本気で更正する意志がないんですね?」

異議あり!

親には言えるけど、こどもに言えないのは「にんげん」だからです。
人として自然な心の動きであり、被告に人間らしさが残っている証拠です。
それをもって「更正する意志なし」と言うのはへりくつと言うものです。

更正する意志のあるなしは刑期に影響します。
ここ、だいじなところなんですよ。

裁判官が本心で言ってるなら阿呆ですし
判決のために言ってるなら詭弁だと思います。たぶん後者。

詭弁に対し、被告はうまく心情を説明できず、
弁護士は被告をかばいますが、裁判官の心証を気遣ってか
反論はしません。

裁判官の一方的発言が続き、わたしのお腹は異議で破裂寸前。
ビール腹って言葉があるけど、異議腹になっちゃった。

裁判官は毎日のように人に嘘をつかれて、疑心暗鬼になっているでしょう。
でも「十人の真犯人を逃しても、たったひとりの無辜(むこ)を罰することなかれ」
って言葉があります。

高等教育を受けた人間が高い場所から詭弁を滝のようにあびせれば
学も気力もない人間は「はいそうですか」となってしまう。

ナットクできない。
裁判員制度が導入されて多少は救われるのかなぁ。

その裁判の流れは「なにかひっかかる。どこか間違ってる」と感じましたが
傍聴ビギナーであるわたしの稚拙な感情論に過ぎません。
実際にはひじょうにまっとうな裁判だったのかもしれません。
法律を学び、何回も傍聴しないと裁判というものを理解できないでしょうが
人生初の傍聴で異議が満腹中枢を刺激し、傍聴意欲が萎えました。

法廷の傍聴席で異議を叫ぶ。
これをやったら実のところ、どうなっちゃうんだろ?

百瀬さん、教えて。


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コメント

”稚拙な感情”や、”異議アリ根性”が大山さんの作家としての原動力のように思います。
大山さんの稚拙な感情や、異議アリ根性が、にんげんらしさや正義に基づいていると
感じるので、これからも大いに異議を叫んでほしいと思っています。
大山さんが傍聴した裁判の裁判官が法律の僕なら、百瀬弁護士は、にんげんの心の僕
というところでしょうか・・・

Eikoさま
あたたかいコメントありがとうございます。
救われます。
傍聴席でカッカしているのは自分だけみたいで、
あまりに大人げない自分を発見して、ショック。
社会人としても作家としても、自信を失いつつありました。
でもこの稚拙さ、大事にしておこうと思います。

『通夜女』のころからずっと作品の根底に流れているモノ、ですね。
日々の暮らしに散在する、人間はいったいどこにいるのだ?、という怒りの瞬間を思い出す一方で、適当にそこらにあるパズルのピースを力ずくで押し込んで完成させざるを得なかった自身の記憶も数々あり、二方向から、お腹の底で熱い塊がゴロゴロしました。
 たぶん、そういうところを掬い上げるのがフィクションの役割の一つではないでしょうか。
 だから、今日も百瀬太郎は歩き続ける。

おのださま
怒りって苦しいものですね。
もうこうなったら法廷での発言権を得るため
必死に勉強して資格をとり、弁護士になるしかないのではと思ったり。
こういうとき、「なれっこない」って理性が働かないんです。
理性が働かないから、作家にもなれたのですが。
せっかくなれた作家という立場で正義を実現していけたら…それが一番ですよね。
あーもう、なんで中年になっちゃったんだろ、
もっと時間が欲しいって思います。

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