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2012年10月14日 (日)

伝説の女

『雪猫』の最終ゲラ(原稿)を送りました。

12月発売予定のファンタジー(って言っていいのかな)です。
 
締め切りは明日必着だから、間に合ったといえば間に合ったのだけど
達成感はありません。
 
小説は、直しても直しても「理想に近づけてるだけ」で、完成した感じがつかめない。
正解が見えないから、締め切りと言う区切りで、直しを「やめる」感じ。
一ヵ月延ばしても、たぶん同じ状態だと思う。
 
小説の最終ゲラを送るときにいつも感じる不安とさびしさ…
これでいいのか感で、おしつぶされそうデス。
 
猫弁の続編ドラマのシナリオも直しの最中ですが、決定稿になっても
シナリオの場合は小説ほど不安を感じないです。
めちゃくちゃうれしい!
うれしさが勝ちます。
 
ドラマは現場で監督や俳優さんが作っていくものです。
台本は設計図であり、提案書みたいなもので、
演出の邪魔をしないようなト書きを心がけています。
 
わたしはわたしなりに知恵をふりしぼって、
すべての登場人物の気持ちによりそってセリフを書きますが、
役者さんは、その役に一点集中、なりきります。
書いているこちらよりも深くその人物を理解してくださる場合が多いし、
ズレがあったとしても、こちらが正解とは限りません。
 
役者さんの感性や監督を信じてお任せします…と送り出します。
ですから、シナリオに愛をいっぱいこめたあと、不安は感じません。
 
じゃあ小説はいつ完成するのかというと
読者の心に届いた時だと思います。
読むひとの受け取り方はさまざまですから、
さまざま完成の形があるように思います。

昨日は新卒で入社した会社の同期会があって、一次会だけ顔を出しました。

25年ぶりに会う人もいて、なつかしかったです。
 
わたしが作家になったのを知っている人、知らない人、
みんな、驚いています。
 
「新人研修でホチキスの使い方がわからなかったあの大山が、文章を作れるとは」
 
これはもう、ニュースです。
わたしは「ホチキスを使えない新入社員」という伝説の女です。
あちこちでくりかえしこれを言われるのですけど、事実無根です。
 
新人研修でグループワークのときに、
昔のことだから模造紙にあれこれ書いてプレゼンします。
その作業の中で、使えなかったのは「カッター」です。
こうすべきを
Ha_2
こうしたんです。
Ha_1
それを見た同期男子が驚愕の表情で
「ねえ、それ、ウケねらい?」と言ったんです。
 
わたしは真剣です。
生まれて初めて見たカッターという文明の利器を
必死に自己流で使っていたわけですね。
 
必死に自己流…というのは今も同じで
小説もシナリオもまあ、そんな感じです。
 
さて本日はあとひと仕事、がんばりまっす。

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ぶんぶん的日常」カテゴリの記事

コメント

> じゃあ小説はいつ完成するのかというと
> 読者の心に届いた時だと思います。
> 読むひとの受け取り方はさまざまですから、
> さまざま完成の形があるように思います。

激しく同感です。
って、私は作家じゃないですけれど。

発信側と受信側があって、
始めて成り立つんですよね、
芸術もコミュニケーションも人間そのものも…。

ちょっと行き詰って息詰まっていたんですが、
少し、何と言うか、力をいただきましたm(__)m

新作、とってもとっても楽しみです。
JUNKOさんには、いつも、色んな形で、力をいただいています。
猫弁はもちろん、JUNKOさんの書くあらゆる文章に、です。
心より感謝を込めて。大好きです!

…私はバターナイフで同じようなことしていました。
表裏に使っていて、バターナイフって、バターを塗りづらい道具だなぁ…と。
つい先日、娘(小1)が同じ過ちをおかしていて、ほっこりしてしまいました(^◇^)

国際子ども図書館で児童文学の歴史の展示を見学してきました。
その中に佐藤暁という人の書いた本がありまして、
タイトルが『だれも知らない小さな国』でした。今も人気のある、
あの佐藤さとるの 名作でした。
装丁も挿絵も現在のものとは違いますが、1959年講談社刊、でした。
物語は、こんなふうにして読者の心に運ばれ続けるのだな、と思いました。
なんとなく、星の光が地球に届くまでの時間を連想してしまいました。
『雪猫』も出発間近ですね。

Kaeさま
バターナイフ!
あれは小6の調理実習のとき、男子が使うのを見て
はじめて使い方を知りました!
自分のうちになかったので、知らなかったんです。
あれ、ふつう、しぜんにまかせれば、反対に使いますよね。
わっかる〜っ!
わたしの文章が、少しでも生活のうるおいになっていたとしたら
すごくうれしいし、こちらこそ感謝感謝です。
いつもあたたかいコメントありがとうございます。
JUNKO


おのださま
おお!
あの名作はうちにもあります!
昭和45年の第二刷です!
1959年っていうことは昭和34年?
うわーすごい。
『雪猫』、もうアマゾンで予約が始まってるみたいですね。
たぶんまたモニター募集もあると思います。
編集者もわたしも「後世に残るものを」という強い志をもって
猫弁も雪猫もつくっています。
応援よろしくお願いします。

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