« 梅子さん | トップページ | 今回はBORDER »

2014年4月22日 (火)

まだ半分以下

本日、猫弁第一作の文庫が重版されます。18刷です。ありがとうございます。

1月末に昏睡状態に陥り、入院した父。
一時は死の淵をさまよっていましたが、
今はリハビリ専門の病棟で、帰宅へむけて訓練の日々です。
トレーナーを着るのを嫌がり、お気に入りのシャツとベストで
「ご婦人もいるしな」ときちんと髪を整えて、
立つ、歩くの練習をしています。
 
父が入院する少し前、嫁ぎ先の娘が体調を崩し、
わたしは通いでサポートしていました。
父の容態は刻々と変化し、医師からの説明を受けたり、
スタッフの指示で消耗品を補充したりと、家族の役割は大きく、
わたしは娘のもとへ通えなくなりました。
 
娘は病気ではなくおめでたなのですが、
つわりが重く、立つことも食べることも
難しい状態が続きました。
婿殿も会社を休んで介護してくれましたが
お勤め人だし、限界があります。
そこで、娘をうちで引き取ることにしました。
 
そうすれば、昼間は父の病院へ、
うちにいる時間は娘の世話をすることができます。
父と娘がみるみる痩せてゆき、青白くなっていくのを
変わってやることもできず、
娘として母として思いつく限りのことをしてみました。
 
そんな中、『イーヨくんの結婚生活』は予定通り刊行。
でも猫弁完結編は「無理かなぁ」って思いました。
 

「体第一で。創作は無理しないで」と編集者からあたたかい言葉をいただき、

自分でも「無理はやめよう」と恐る恐る書き始めたのですが
気がついたら初稿ができあがっていました。
 
いつ書いたかというと、深夜とか明け方だったと思います。
なぜ書けたかというと、きっと、とても書きたかったから。
猫弁のラストシーンを書くのを楽しみにしていたので、
どんどん書き進めることができたんです。
 
深夜、シーンとした部屋でひとり猫弁の世界にいる間、
わたしは疲労も不安も感じることなく、幸せでした。
目指したものを書けたし、これから仕上げに入りますが、
後悔のない作品になりそうです。
 
父の退院はメドが立たず、娘もまだわがやに入院中です。
今回のことでは、父や娘自身が一番がんばっていますし、
高齢の母も、勤め人の兄も、婿殿も、そして夫も
みんながいっせいに「わたしが!」と手を挙げ、
それぞれがやれることをやっています。
だからわたしも無理なくがんばることができています。
 
わたしは今回のことで、どんな状況でも書けるんだという
ささやかな自信ができました。 
今年はまだ半分以上ある。
もっともっと書いてゆきたいです。

« 梅子さん | トップページ | 今回はBORDER »

ぶんぶん的日常」カテゴリの記事

コメント

お話をうかがうと、とても厳しい状況なのに、
心にあかりが灯りました。
・・・本日、のんびりした仕事ながら、
年に何度かはある、トラブルの集中日でありました。
前に進むのはあきらめて、事態の収拾のみ、マイナスをなんとかゼロにもどして試合終了。
気分一新、明日はスタート地点です。

読む前から力がわく、『猫弁』完結編です。

娘さんのご懐妊おめでとうございます。

うれしい半分、心配半分といったところでしょうか。

特に初産婦さんは、つわりが果てしもなく続く気がしちゃいますよね…
つわりが終わると、今度は胃が圧迫されて、やっぱり食べられない。
胎動が激しくなって夜眠れない。
等々、身軽だった頃ってどんなだっけ?って思い出せなくなるほど次々体に変化が訪れますよね。

でもそれをアッと言う間に忘れちゃうほど赤ちゃんはかわいい(*^^*)から、娘さんも傍で支えるお母さんも旦那さんズもお腹の赤ちゃんもガンバって!

私は明日も早く起きて、むかーしむかしかわいかったヒトのお弁当作りますー

お父さま、少しずつ回復なさってきているようで何よりです。
お嬢様、ご懐妊おめでとうございます。

素敵なチームのお話を聞かせていただいた気分♪

猫弁完結編、楽しみにしています!

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/562780/59493788

この記事へのトラックバック一覧です: まだ半分以下:

« 梅子さん | トップページ | 今回はBORDER »